企業会計基準委員会より、実務対応報告第29号「改正法人税法及び復興財源確保法に伴い税率が変更された事業年度の翌事業年度以降における四半期財務諸表の税金費用に関する実務上の取扱い」が公表されました。
改正法人税法及び復興財源確保法が2011年12月に公布されたことに伴い、当該公布日を含む事業年度の翌事業年度以降における四半期(連結)財務諸表の税金費用に関する実務上の取扱いを明らかにしたものです。
なお、本実務対応報告は2011年12月2日を含む事業年度の翌事業年度に係る第1四半期会計期間から適用されます。
また、本実務対応報告の適用については、会計方針の変更としては取り扱いません。
(主な内容)
年度決算と同様の方法で税金費用を計算している場合
回収(支払)が行われると見込まれる期に対応した税率により、繰延税金資産(負債)を計算する。すなわち、2012年4月1日から2017年3月31日までの間に開始する事業年度においては復興特別法人税額が上乗せされることから、同期間に回収(支払)が行われると見込まれる繰延税金資産(負債)については、復興特別法人税額を含む法定実効税率で計算する。また、スケジューリング不能一時差異については、一律に復興特別法人税を含まない法定実効税率で繰延税金資産(負債)を計算する。
四半期特有の会計処理により税金費用を計算している場合
1. 基本的な取扱い
税効果会計の計算に適用される税率が複数のときは、税引前四半期純利益に乗じる見積実効税率は、予想年間納付税額と予想年間法人税等調整額の合計額(以下、予想年間税金費用という)を、予想年間税引前当期純利益で除すことで算出する。この場合、復興特別法人税による影響も考慮に入れて予想年間税金費用を算出する必要があるが、当年度の期首の一時差異等については、一定の状況にあるときには、前年度末における繰延税金資産の回収可能性の検討において使用した将来の業績予測、タックス・プランニング、一時差異等のスケジューリングを利用することができる。一定の状況にないときには、前年度末の検討において使用したものに、経営環境の著しい変化又は一時差異等の大幅な変動による影響を加味したものを利用することができる。
2. 複数税率の影響が重要ではない場合の取扱い
当事業年度に発生が見込まれる一時差異等のうち復興特別法人税が課税されない期間に回収が見込まれる額が重要ではない場合など、税効果会計の計算に適用される税率が複数であることによる影響が重要ではないと見込まれるときは、税引前四半期純利益に乗じる見積実効税率は、予想年間税金費用を予想年間税引前当期純利益で除すことで算出することができる。この場合、予想年間税金費用は、予想年間税引前当期純利益に一時差異等に該当しない差異を加減算したものに法定実効税率を乗じたものから、税額控除額を控除して算出する。
企業会計基準委員会ホームページ