法務省より、「会社計算規則の一部を改正する省令」が公布されました。これは企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の公表等を踏まえ、所要の改正が行われたものです。
なお、本改正省令は2011年3月31日から施行され、2011年4月1日以後開始事業年度に係る(連結)計算書類等から適用されます。
(主な改正内容)
株主資本等変動計算書
これまで「残期末残高」として表示していた残高は、「当期首残高」として表示する。また、遡及適用又は誤謬の訂正をした場合には、当期首残高に対する影響額を併せて記載する。
(連結)注記表
(連結)注記表に、「会計方針の変更に関する注記」、「表示方法の変更に関する注記」、「会計上の見積りの変更に関する注記」及び「誤謬の訂正に関する注記」の項目を新設し、「1株当たり情報に関する注記」を改正する。
1. 会計方針の変更に関する注記
会計方針を変更した場合、重要性が乏しい場合を除き、以下の事項を注記する。
- ① 当該会計方針の変更の内容
- ② 当該会計方針の変更の理由
- ③ 遡及適用した場合、当該事業年度の期首における純資産額に対する影響額
- ④ 当該事業年度より前の事業年度の全部又は一部について遡及適用しなかった場合、以下の事項
- ⅰ) (連結)計算書類の主な項目に対する影響額
- ⅱ) 当該事業年度より前の事業年度の全部又は一部について遡及適用しなかった理由並びに当該会計方針の変更の適用方法及び適用開始時期(ただし、当該会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合を除く)
- ⅲ) 当該会計方針の変更が当該事業年度の翌事業年度以降の財産又は損益に影響を及ぼす可能性がある場合で、当該影響に関する事項を注記することが適切であるときは、当該事項
なお、連結注記表に記載した上記③並びに④ⅱ)及びⅲ)が個別注記表に記載すべき事項と同一である場合、個別注記表にその旨を注記すれば足りる。
2. 表示方法の変更に関する注記
表示方法を変更した場合、重要性が乏しい場合を除き、以下の事項を注記する。
- ① 当該表示方法の変更の内容
- ② 当該表示方法の変更の理由
なお、連結注記表に記載した上記②が個別注記表に記載すべき事項と同一である場合、個別注記表にその旨を注記すれば足りる。
3. 会計上の見積りの変更に関する注記
会計上の見積りを変更した場合、重要性が乏しい場合を除き、以下の事項を注記する。
- ① 当該会計上の見積りの変更の内容
- ② 当該会計上の見積りの変更の(連結)計算書類の項目に対する影響額
- ③ 当該会計上の見積りの変更が当該事業年度の翌事業年度以降の財産又は損益に影響を及ぼす可能性がある場合、当該影響に関する事項
4. 誤謬の訂正に関する注記
誤謬の訂正をした場合、重要性が乏しい場合を除き、以下の事項を注記する。
- ① 当該誤謬の内容
- ② 当該事業年度の期首における純資産額に対する影響額
5. 1株当たり情報に関する注記
当該事業年度(又は連結会計年度。以下同じ)又は当該事業年度の末日後に株式併合又は株式分割した場合において、当該事業年度の期首に株式併合又は株式分割したと仮定して1株当たり利益を算定したときは、その旨を注記するとする規定を追加する。
会計監査
遡及適用又は誤謬の訂正による影響額が株主資本等変動計算書等に表示され、これが監査対象となることに伴い、遡及処理を前提に当該事業年度に係る(連結)計算書類が作成されているときには当該遡及処理に係る事項をも会計監査人が監査しなければならないとする規定(旧計算書類規則126条3項)を削除する。
満期保有目的債券の定義
実務対応報告第26号「債券の保有目的区分の変更に関する当面の取扱い」の適用時期が満了したことに伴い、満期保有目的債券は「満期まで所有する意図をもって取得したものに限る」こととする。なお、これに伴い、2008年12月5日から2010年3月31日の間に満期保有目的債券へ保有目的を変更した場合における所要の経過措置を設ける。
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