海外子会社税務ガバナンス~諸外国における繰越欠損金~
国際税務ニュースレター多国籍企業グループが直面するグローバル税務コンプライアンスに対応するためには、本社主導による税務ガバナンスの構築が強く求められます。海外子会社税務ガバナンスを推し進める上では、各国の基本税制の理解はその一歩となります。本稿では、日系企業の進出先となるケースの多い諸外国を中心に、タックスプランニングや実効税率(ETR)管理において重要な「諸外国の繰越欠損金の原則的な取り扱い」について整理します。
2025/07/16 読了時間 5 分

2025年、トランプ大統領の再登板により、米国の通商政策は大きな転換点を迎えています。特に注目されているのが、関税政策の強化です。今回はGrant Thorntonの米国メンバーファームであるGrant Thornton Advisors LLCによるレポートをもとに、米国関税政策の動向ついて整理します。
関税とは、外国からの輸入貨物に対して課される税金であり、税収入の確保だけでなく国内産業保護の機能を果たしています。日本における関税制度や関税率は、国会の承認を経た関税法、関税定率法や関税暫定措置法、また関税および貿易に関する一般協定に基づき決定されます。一方で米国ではIEEPA(国際緊急経済権限法)や通商拡大法232条に基づき、大統領権限で関税を設定・変更できる制度が配備されています。IEEPAは、米国の国家安全保障や外国政策・経済政策に対する重大な脅威があった場合に対して大統領権限を行使することが想定されていることに対し、通商拡大法232条はある製品の輸入が米国の安全保障を損なう恐れがあると商務省が判断した場合に、輸入を是正するために行使される大統領権限です。
2025年4月2日、トランプ政権は自国内産業保護に向けて、全輸入品に対する一律10%のベースライン関税を導入することを発表しました。これは、すべての国・地域からの輸入品に対して、既存の関税に加えて原則10%を上乗せする措置です。さらに、相手国の関税率に応じて米国が追加関税を課す相互関税も導入される予定です。発表された相互関税の関税率のうち、日本の相互関税率は24%とされていました。日本を含む60カ国以上の国々については、米国時間2025年4月9日から相互関税に対して90日間の一時停止措置が取られており、この期間において各国との交渉を実施しています。なお、当初90日間とされていた一時停止措置は、現在2025年8月1日までに延長されており、貿易相手国に対して提案している関税条件を更新しました。日本においてはトランプ大統領が送付した書簡により、相互関税率は当初の24%から25%へ引き上げられています。
日本政府もトランプ大統領と交渉を実施していますが、本記事の執筆時点において合意に至っていません。
2025年5月、米国国際貿易裁判所(U.S. Court of International Trade)は、IEEPAに基づく関税措置について、大統領の権限逸脱として違憲判断を下しました。本訴訟は米国内の企業やカリフォルニア州など複数の州が訴えを起こしていました。関税の状況は非常に流動的な状況であり、日々関税政策は揺れ動いています。この判決により、約300億ドル相当の関税が返還される可能性があり、トランプ政権は現在控訴中です。控訴中は関税措置が継続されますが、裁判の結果により政権は今後2025年に導入された関税制度の多くを停止するか、大幅に政策を再構築する可能性もあります。[1]
Grant Thornton Advisors LLCでは、企業に対して以下のような要素に注力することを推奨しています。[2]
また、多国籍企業が米国への取引を行う場合において、移転価格の意思決定に影響は避けられないため、移転価格税制における戦略の見直しが求められることとなります。[3]
トランプ政権は相互関税の一時停止期限を2025年8月1日までに延長しましたが、さらなる延長は認めない考えを示しています。また今年後半に現時点では追加関税の対象外としている銅、木材、材木、半導体、医薬品等についてもさらなる関税を課すと述べています。医薬品等に対しては200%の関税を課す案が示唆されており、現在の決定は12月に予定されています。[4]
控訴審の結果次第では関税政策全体が見直される可能性もありますが、トランプ政権は関税を交渉の武器として活用しており、今後も通商政策の中心的手段として位置づけられることが予想されます。
[1] Grant Thornton Advisors LLC, “U.S. trade court rules unanimously against Trump tariffs” (2025年7月16日取得)
[2] Grant Thornton Advisors LLC, “A new tariff paradigm: How businesses can respond” (2025年7月16日取得)
[3] Grant Thornton Advisors LLC, “How Trump tariffs could alter transfer pricing strategies” (2025年7月16日取得)
[4] Grant Thornton Advisors LLC, “Trump tariff deadline arrives with few deals and little certainty” (2025年7月16日取得)
多国籍企業グループが直面するグローバル税務コンプライアンスに対応するためには、本社主導による税務ガバナンスの構築が強く求められます。海外子会社税務ガバナンスを推し進める上では、各国の基本税制の理解はその一歩となります。本稿では、日系企業の進出先となるケースの多い諸外国を中心に、タックスプランニングや実効税率(ETR)管理において重要な「諸外国の繰越欠損金の原則的な取り扱い」について整理します。
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令和8年1月、グローバル・ミニマム課税について、独自の代替最低税やCFC税制といった最低課税制度を有する米国等の制度との不調和を解消し、双方を共存させるための国際合意(共存システム:Side-by-Side system: SbS)が成立しました。これに対応する新たな適用免除基準が我が国の税制においても措置され、内国法人の令和8年1月1日以後に開始する対象会計年度について適用されます。
Under Japan’s consumption tax rules, input tax credits for "adjustable fixed assets" are credited upon acquisition. However, if the use of assets changes within three years, an adjustment is required.
FY2026 JCT Reform Update: Extended 8-Year Transitional Deduction Schedule and Reduced JPY 100M Cap for Non-Registered Supplier Purchases
令和8年1月、グローバル・ミニマム課税について、独自の代替最低税やCFC税制といった最低課税制度を有する米国等の制度との不調和を解消し、双方を共存させるための国際合意(共存システム:Side-by-Side system: SbS)が成立しました。これに対応する新たな適用免除基準が我が国の税制においても措置され、内国法人の令和8年1月1日以後に開始する対象会計年度について適用されます。
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令和8年1月、グローバル・ミニマム課税について、独自の代替最低税やCFC税制といった最低課税制度を有する米国等の制度との不調和を解消し、双方を共存させるための国際合意(共存システム:Side-by-Side system: SbS)が成立しました。これに対応する新たな適用免除基準が我が国の税制においても措置され、内国法人の令和8年1月1日以後に開始する対象会計年度について適用されます。
米連邦最高裁判所は2026年2月20日、国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠とするトランプ政権の追加関税(IEEPA関税)を違法と判断しました。これを受けて米国際貿易裁判所は2026年3月4日、米税関・国境取締局に対し、IEEPA関税の還付を命じました。 本稿では、IEEPA関税の発動から還付に至るまでの経緯を整理し、還付のプロセスおよびIEEPA関税の代替措置について解説します。