強制適用まで1年を切った『新リース会計基準』― 備えはできていますか?
マネジメントのための経営財務情報『拝啓社長殿』国際的な会計基準と日本基準との比較可能性を高めるため、リースの取り扱いを見直した「新リース会計基準」が、2027年4月1日以降開始する事業年度より強制適用となります。上場会社や上場準備会社を中心に対応が求められる中、本稿ではBS・PLへの影響や実務上のポイントについて解説します。
2026/06/04読了時間 3 分

経済産業省は、「攻めの経営」の促進やスタートアップの成長に向け、ストック・オプションなどの株式報酬の活用を強く奨励しています。
一方で、2025年10月、会計検査院はストック・オプションに対する課税状況を巡り、多額の申告・課税漏れのおそれがあるとする報告書を公表しました。
これを契機とした国税当局による調査・課税強化の動きは、企業価値の向上を目指す経営トップとして見過ごせないリスクであり、適切な対応が求められます。
ストック・オプションをはじめとする株式報酬や業績連動報酬の導入は、経営陣や従業員に中長期的な企業価値向上のインセンティブを与え、自社の「稼ぐ力」の向上につなげる効果があります。
特に、自社株を保有させることで経営陣と株主との価値共有(株主目線での経営)を促すほか、優秀な人材の確保・引き留め(リテンション)の面でも非常に有効な手段として普及が進んでいます。
事実、2024年に東京証券取引所に新規上場した84社のうち、実に71社がストック・オプションを利用しています(日本経済新聞2025年11月6日付)。
ストック・オプションは、税制適格・非適格の区分により課税のタイミングが異なりますが、会計検査院は、2021年及び2022年の2年間について、無申告又は課税漏れ等の可能性を指摘しました。
権利行使時は非課税となり、取得した株式を譲渡した時に譲渡所得として課税されます。
会計検査院は、この譲渡所得が無申告となっている可能性が高いケース(73人、譲渡の対価の額 約13億円)、その他不適切な処理を指摘しました。
権利行使した時の経済的利益(権利行使時の株式の価額と行使価格の差額)が「給与所得等」として課税対象となります。
会計検査院は、この権利行使時の利益を給与収入等として適正に計上していない蓋然性が高いケース(34人、経済的利益の額 約41.5億円)を指摘しました。
国税庁は、ストック・オプションの付与を行った企業が提出する「新株予約権の行使に関する調書」や、証券会社等が提出する「特定株式等の異動状況に関する調書」などの法定調書を通じて情報を収集しています。
会計検査院の指摘を受け、国税庁は今後、これらの法定調書データを有効活用し、申告漏れの把握や税務調査を強化する方針を示しました。
企業側においては、税制適格・非適格の区分に応じた課税関係を正しく把握するとともに、法定調書を確実に提出することが求められます。
また、後日の税務トラブルを防ぐため、付与対象者である役員や従業員に対し、課税のタイミングや確定申告の必要性について周知・啓発を行うことが重要です。
ストック・オプションを含むインセンティブ報酬は、経産省が推進するように「稼ぐ力」を向上させ、経営者と働く人が同じ方向を向くための有効なツールです。
一方で、制度設計や運用、税務面での複雑さが伴います。
導入の際は、自社の経営戦略に沿った最適なスキームを選択し、専門家の助言を交えながら適正な管理体制を構築していくことが望まれます。
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