2025年IPO市場の総括と2026年の展望
マネジメントのための経営財務情報『拝啓社長殿』2025年のIPO市場は、新規上場会社数が110社と、前年の134社から減少しました。特にグロース市場では上場維持基準の見直しの影響もあり、上場数が大きく減少しています。一方で、TOKYO PRO Marketは引き続き高水準を維持しており、市場ごとに動向の違いが見られます。また、2026年は3月末時点で18社の上場が予定されており、今後の動向にも注目が集まります。

国際的な会計基準と日本基準との比較可能性を担保するために、“リース”の取り扱いが変更され、2027年4月1日以降に開始する事業年度より強制適用となる新リース会計基準。上場会社やその子会社だけでなく、将来上場を予定する準備会社も適用対象となります。本稿では会計基準の適用によるBS・PLの変化、今後の対応ポイントをまとめています。
適用後は、取引内容や経済実態に変更がなくても、旧リース基準におけるリース取引に加え、「隠れリース(実質リース)」に係る資産と負債が貸借対照表(BS)に計上(オンバランス)され、損益計算書(PL)上の費用区分が変わります。このため、自己資本比率の低下や、ROA(総資産利益率)等のKPIの悪化が予想されます。
具体的には、オフィスや店舗、倉庫などの賃借契約の多くが“リース”とみなされ、多店舗展開する小売業、工場や物流拠点・支店等の賃借物件を多く抱える企業は大きな影響が予想されます。
金融機関等の外部からの資金調達を多用する企業は、融資条件の悪化や財務制限条項(コベナンツ)への抵触リスクが高まる点に留意が必要です。
既存契約を網羅的に洗い出し、具体的な影響箇所を把握し適用に伴う影響額を早期に試算する。適用後は財務体質の悪化が予想されるため、中長期的な財務体質の改善策や財務戦略を事前に講じておく。
契約の開始・変更・解約などの契約管理体制の見直しや契約管理ツールを導入し、会計処理に必要な契約情報が継続的に入手できる体制を構築・維持する。
“資産の購入”と“賃借”の会計処理の差異が小さくなるため、賃借することの事業上の効果やメリットを加味し、事業資産への投資戦略を再検討する。
新リース会計基準の導入にあたり、財務諸表への重要な影響、経理実務への大きな負担が発生します。しかし日本の会計基準と国際的な会計基準との整合性が保たれ、財務諸表間の比較可能性が高まるため、日本の資本市場や企業の財務報告に対する信頼性の向上につながるものと考えられます。
2025年のIPO市場は、新規上場会社数が110社と、前年の134社から減少しました。特にグロース市場では上場維持基準の見直しの影響もあり、上場数が大きく減少しています。一方で、TOKYO PRO Marketは引き続き高水準を維持しており、市場ごとに動向の違いが見られます。また、2026年は3月末時点で18社の上場が予定されており、今後の動向にも注目が集まります。
2025年12月に日本銀行は政策金利を0.75%程度に引き上げました。「金利のある世界」への環境変化を「財務リスク」ではなく、「ビジネスモデル変革の好機」と捉え直す経営の指針を紹介します。
2026年1月、金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ(WG)」より、最新の報告書が公表されました。サステナビリティ開示・保証制度は東京証券取引所プライム市場上場企業を主な対象としていますが 、開示にあたってはバリューチェーン全体のリスクや機会を評価することが重要視されています。そのため、開示が義務化されるプライム市場上場企業だけでなく、それらの企業と取引のある企業に対しても、温室効果ガス(GHG)排出量(Scope 3)をはじめとする情報の提供が求められる可能性があります。
2024年7月16日開催の第529回企業会計基準委員会において、仮に新リース会計基準が2025年3月より前に最終化される場合、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から新リース会計基準を適用することが提案されました。リースの会計処理をシステム対応する場合には一定の開発期間を要すると考えられることや税制対応などに懸念も示されましたが、事務局提案に対する大きな反対意見は聞かれませんでした。
3月期決算会社では、2022年3月期の期首から「収益認識に関する会計基準」が適用され、各社十分な検討と対応を図って基準適用を開始されたところかと思われます。同基準の2020年3月31日改正では、収益認識に関する表示及び注記事項について詳細な定めが設けられ、3月期決算会社では2022年3月末から多くの注記事項が追加されることとなります。
2021年4月14日、暗号資産(仮想通貨)交換所大手の米コインベース・グローバルがナスダックに上場となりました。 業界で初めての株式市場上場となります。