企業会計基準委員会より、改正実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」が公表されました。これは、リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームによるリース取引の契約変更時の借手の会計上の取扱いを明らかにしたものです。
なお、本改正は2015年3月11日から適用されます。
(主な改正内容)
ファイナンス・リース取引かどうかの再判定
契約内容が変更された場合のファイナンス・リース取引(以下、FL取引という)かオペレーティング・リース取引(以下、OL取引という)かの再判定は、契約変更時に、契約変更後の条件に基づいてリース取引開始日に遡って実施する。
再判定にあたり、借手が解約不能のリース期間中のリース料総額の現在価値を算定するために用いる割引率は、借手が契約変更後の条件に基づいてリース取引開始日における貸手の計算利子率を知り得るときは当該利率とし、知り得ないときは契約変更後の条件に基づいてリース取引開始日における借手の追加借入に適用されていたであろうと合理的に見積もられる利率とする。
OL取引からFL取引への変更
契約内容が変更された結果、OL取引からFL取引となるリース取引については、契約変更日から通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。リース資産及びリース負債は原則として以下の(1)の方法による価額で計上するが、(2)の方法によることもできる。
(1)原則的な方法
リース資産は、契約変更後の条件に基づくリース取引開始日からの将来のリース料を上記の割引率で割り引いた現在価値と、リース取引開始日における借手の見積現金購入価額とのいずれか低い額から、リース取引開始日から契約変更日までの減価償却累計額相当額を控除した価額とする。リース負債は、契約変更後の条件に基づく契約変更日からの将来のリース料を上記の割引率で割り引いた現在価値とする。リース資産とリース負債との差額は損益として処理する。
(2)簡便的な方法
リース資産及びリース負債は、契約変更後の条件に基づく契約変更日からの将来のリース料を上記の割引率で割り引いた現在価値とする。
その他
契約変更に係る上記の取扱いは、リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームによるリース取引にのみ適用され、その他のリース取引に係る取扱いに影響を与えるものではない。
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