法人税法施行規則第59条の2の新設 〜関連者間取引の書類整備と実務上の留意点〜
国際税務ニュースレター令和8年度税制改正により新設された、関連者間取引に係る書類の整理保存の特例(法人税法施行規則第59条の2)では、すべての青色申告法人に対し、対価の設定方法等を補完する書類の保存が義務付けられます。本稿では、未対応時の青色申告取消リスクに備えるため、主な改正点を整理するとともに、国税庁の事務運営指針に基づく具体的な実務対応を簡潔に解説します。
2026/07/03 読了時間 4 分

米連邦最高裁判所(SCOTUS)は2026年2月20日、国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠とするトランプ政権の追加関税(以下、「IEEPA関税」)を違法と判断しました。
これを受けて米国際貿易裁判所(CIT)は2026年3月4日、米税関・国境取締局(CBP)に対し、IEEPA関税の還付を命じました。還付対象となる可能性がある関税額は、総額1,660億ドル(約24兆円)にのぼります。
本稿では、IEEPA関税の発動から還付に至るまでの経緯を整理し、還付のプロセスおよびIEEPA関税の代替措置について解説します。
トランプ政権は、2025年2月から同年4月にかけて、IEEPAに基づく以下の関税を導入しました。
上記の措置に関し、V.O.S. Selections, Inc.を含む中小企業5社およびオレゴン州を代表とする12州がCITに提訴し、その後、連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)および最高裁判所を経て、IEEPA関税が違法であることが確定しました。
これを受けて、CITはCBPに対してIEEPA関税を原則すべての輸入者に還付するよう命じました。
CBPは2026年4月10日および同月13日に、IEEPA関税の還付を行う統合通関管理・処理システム(CAPE)の利用方法を発表しました。
還付は複数のフェーズに区分して段階的に行われることとなっており、2026年4月20日にフェーズ1として、①未清算(※)の輸入申告および②清算から80日以内の輸入申告を対象とする還付受付を開始しました。
これにより、還付すべきIEEPA関税のうち63%が処理される見込みです。
米国では輸入時に支払う関税は暫定額であり、通常は輸入日から314日以内にCBPによって最終税額が確定されます。
この最終税額を確定させる手続きを「清算」といいます。清算後であっても、180日以内であればCBPに対して異議申し立てを行うことができます。
CBPは2026年6月9日、調整(※)対象としてフラグが立てられている輸入申告のうち、調整申告(タイプ09)が未提出のものについて、新たに6月29日から還付申請の受付を開始すると明らかにしました。
これらは、フェーズ1と同様に、未清算の輸入申告または清算日から80日以内の輸入申告に限定されます。
課税価格や原産地などの申告要素が輸入時点で未確定の場合、後日まとめて申告による再計算を行う手続きをいいます。
輸入時に暫定申告(フラグ付与)しておき、確定情報が出た段階であるべき税額に再計算します。
この際、タイプ09と呼ばれる専用の申告書をCBPに提出します。
CBPのエグゼクティブ・アシスタント・コミッショナーであるスーザン・トーマス氏は、「フェーズ3」として、清算が最終確定している輸入申告についても還付手続きの対象とする方針を明らかにしています。
一方、トランプ政権は、還付対象を「すべての輸入者」とするCITの判断は、権限を逸脱しており違法だとしてCAFCに控訴しています。
この際、トランプ政権は、裁判所による救済措置は原則、訴訟を起こした原告に限定されるとした最高裁の判例を引用しています。
このため、上訴審の結果次第では、清算が最終確定している輸入申告については、還付の対象が「CITへ訴訟を提起した輸入者」に限定される可能性があります。
IEEPA関税違法の最高裁判決が下った2026年2月20日、トランプ政権は、IEEPAに基づく関税措置を終了させる大統領令の発表と同時に、1974年通商法122条を根拠として原則すべての国からの輸入品に10%の関税を課す大統領布告を発表しました。
CITは2026年5月7日、122条に基づく10%の関税を違法とする判決を下しましたが、トランプ政権は同月8日にCAFCへ控訴しています。
122条は議会が延長を承認しない限り150日(2026年7月24日)を期限とする時限立法のため、最終的な判決を待たずして期限を迎えることが見込まれます。
また、米国通商代表部(USTR)は2026年6月2日、1974年通商法301条に基づく不公正貿易慣行調査の結果として、日本を含む60カ国・地域が強制労働により生産された産品の取引を抑制できず米国の通商を制限していると判断し、最大12.5%の追加関税を課す案を公表しました。
このことから、トランプ政権は、7月24日の122条の期限直後、301条を根拠とする新たな関税措置を導入し、切れ目なく関税を継続する可能性があります。
トランプ政権はIEEPA関税の還付対象を巡り、CAFCに控訴しています。また、IEEPA以外の法律に基づく関税を賦課する動きもあります。
米国関税を巡る不確実な状況は当面続く見通しであり、IEEPA関税の還付および代替関税の動向を今後も注視する必要があります。
令和8年度税制改正により新設された、関連者間取引に係る書類の整理保存の特例(法人税法施行規則第59条の2)では、すべての青色申告法人に対し、対価の設定方法等を補完する書類の保存が義務付けられます。本稿では、未対応時の青色申告取消リスクに備えるため、主な改正点を整理するとともに、国税庁の事務運営指針に基づく具体的な実務対応を簡潔に解説します。
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