強制適用まで1年を切った『新リース会計基準』― 備えはできていますか?
マネジメントのための経営財務情報『拝啓社長殿』国際的な会計基準と日本基準との比較可能性を高めるため、リースの取り扱いを見直した「新リース会計基準」が、2027年4月1日以降開始する事業年度より強制適用となります。上場会社や上場準備会社を中心に対応が求められる中、本稿ではBS・PLへの影響や実務上のポイントについて解説します。

2025年7月24日開催の企業会計基準委員会(以下、ASBJという)において、のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更に関して、関係者から意見聴取(公聴会)を実施することが決定されました。
「経済財政運営と改革の基本方針2024」(2024年6月閣議決定)において「スタートアップのM&Aを促進する観点から、のれんの非償却を含めた財務報告の在り方を検討する」との政府方針が示され、2025年5月に規制改革推進会議から、内閣府、経産省及び金融庁において、のれんの会計処理の在り方に関するASBJでの議論をフォローすることが答申されました。
このような状況において、経済同友会等からのれんの非償却の導入(選択制)及びのれん償却費計上区分の変更に関する提案が企業会計基準諮問会議に対して行われ、議論が開始されました。
IFRSではのれんは非償却であり、毎年定期的な減損テストが求められています(ただし、中小企業は10年以内の償却が求められ、減損処理の対象となります)。しかし、のれんの減損は従来から「too little, too late」(減損損失の認識のタイミングが遅い、認識額が十分ではない)との指摘があることから、2020年3月に会計処理の改善を検討するためのディスカッション・ペーパー「企業結合-開示、のれん及び減損」が公表されました。のれんは減耗性の資産か、償却期間や償却パターンを信頼性をもって合理的に見積もることが可能か、といった観点から検討が行われましたが、のれんの非償却を変更するだけの説得力のある証拠が収集されなかったため、2022年11月に議論は打ち切られました。
同様に、米国会計基準でものれんは非償却で毎年の減損テストが求められており(ただし、非公開会社は10年以内の償却が認められ、減損処理の対象となります)、2019年のコメント募集において償却導入の議論が行われましたが、2022年6月に検討の中止が決定されています。
日本基準ではのれんは20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって規則的に償却され、減損処理の対象となります。減損の兆候がある場合には、のれんを含む資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローと当該資産グループの帳簿価額が比較され、帳簿価額の方が高いときには減損の測定プロセスに入ります。
のれんの取扱いの検討は、償却/非償却の二者択一といった単純な議論ではなく、それ以外の会計上の取扱いも変更する必要がないか、IFRSと同様に複雑な減損テスト及び無形資産とのれんの区分を評価の専門家が実施した場合にかかる適用上のコストをどのように考えるか、など、多面的な検討が必要になると考えられます。
国際的な会計基準と日本基準との比較可能性を高めるため、リースの取り扱いを見直した「新リース会計基準」が、2027年4月1日以降開始する事業年度より強制適用となります。上場会社や上場準備会社を中心に対応が求められる中、本稿ではBS・PLへの影響や実務上のポイントについて解説します。
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