財務モデリングの基本5-M&Aモデルとプロジェクトファイナンスモデルの違い(後編)
プロジェクトファイナンス(PF)における財務モデルの特徴を、M&A等のトランザクションモデルとの比較を通じて解説します。PFモデルは多角的なステークホルダーの共通基盤であり、ノンリコース性を前提としてCFADSやDSCR等の指標をもとに借入可能額(Debt Sizing)や返済パターン(Debt Sculpting)を直接モデル上で算定する点に構造的な違いがあります。
2022/04/05 読了時間 2 分

昨今の英国は、2020年1月末日に欧州連合(EU)を正式に離脱(Brexit)、その後新型コロナウィルス(COVID-19)の猛威にさらされ、本稿執筆時点(2022年1月)においてもオミクロン株の影響により医療従事者をはじめとりわけサービス産業分野において深刻な人手不足に直面しています。またエネルギー価格の高騰からインフレ懸念が取り沙汰される等、ネガティブな話題に事欠かない印象です。他方でCOVID-19 対応では世界最速でワクチン接種を進めることに成功し、まだ収束にはほど遠いものの、厳格なロックダウンを避けながら、経済活動を再開しています。加えてフィンテックやカーボンニュートラル等ベンチャー企業育成に積極的なビジネス環境、多様な文化を受け入れる国民性等は、引き続きビジネス上魅力的な要素となっています。
本稿では、英国の会計・監査、税務制度について、概観を示すとともに、特にM&Aに関連して留意す べきポイントについて解説致します。なお、本稿記載の情報は2021年12月末時点のものであり、また本文中意見に係る部分は筆者の私見であることを予めお断り致します。
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プロジェクトファイナンス(PF)における財務モデルの特徴を、M&A等のトランザクションモデルとの比較を通じて解説します。PFモデルは多角的なステークホルダーの共通基盤であり、ノンリコース性を前提としてCFADSやDSCR等の指標をもとに借入可能額(Debt Sizing)や返済パターン(Debt Sculpting)を直接モデル上で算定する点に構造的な違いがあります。
財務モデルはさまざまな場面で使われます。その中でも「M&Aトランザクションモデル」と「プロジェクトファイナンス(PF)モデル」は、似ているようで設計思想が大きく異なります。違いは、前提条件、資金の見方、重視する指標、リスクの捉え方にあります。本稿では2回に分けてその違いを解説し、第1回では、PFの基本的な仕組みと特徴、財務モデルの役割や構築上のポイントを紹介します。
財務モデルを構築する際、誰もが一度は直面するのが「循環参照」の問題です。計算がループしてしまい、Excelにエラーメッセージが表示されると、モデルの信頼性が揺らぎかねません。本稿では、プロフェッショナルな財務モデリングにおいて、循環参照がなぜ起きるのか、そしてどのように解決すべきかを解説します。