黒田・前日銀総裁による2%のインフレ目標を目指した異次元緩和以来、植田・現総裁も「基調的な物価上昇率は2%に達していない」と判断されているようです。これに対し、今月号筆者の亀田制作・元日本銀行調査統計局長は、すでにインフレ局面入りをしており、これを踏まえた政策判断が必要とされています。今月号はこの観点から、日本経済の現状を分析して頂きます。
2026年4月は、人事・労務関連で企業実務に影響のある法改正があります。必ず押さえておきたい3つの改正事項について、概要と実務対応のポイントを解説します。
国際ビジネスにおいては、明確なコミュニケーションと異文化理解に基づく信頼関係の構築が不可欠です。とりわけ移転価格税制の分野では、日本法人と国外関連会社との取引が検証対象となるため、移転価格コンプライアンスでは日本本社と海外子会社、あるいは海外本社と日本子会社との間での国境を越えた協力が必要です。本稿では、日本の税務調査において海外の企業グループメンバーが直面しやすい実務上の課題、日本の税務当局の特徴、ならびに本邦移転価格税制における近時の注目論点について解説します。
2023年3月7日、タイ政府は、経済協力開発機構(OECD)BEPS第二の柱 (以下、ピラー2とする。) に沿ったグローバルミニマム課税の導入を支援する措置を承認しました。 少し前に公表された措置ではありますが、BOIによる投資奨励法に基づいて付与される税務恩典との関係や今後の対応を踏まえても興味深い内容です。 そこで本稿では、タイにおけるグローバルミニマム課税への現在の取り組み状況を中心に、ピラー2の概要をお伝えします。
昨今の高インフレ下の厳しい経済情勢において、多くの企業が今後数ヶ月間に自社の財務状況への影響を見極めるために財務予測を検討しています。とりわけ借入金の状況・返済スケジュール等を検討する上では、既存の銀行融資枠で必要運転資金を賄えるかを検討するだけでなく、コベナンツ(財務制限条項)に対してどのように対応するかを検討することが重要となります。貸手はコベナンツ違反の可能性に対して柔軟に対応してくれる可能性もありますが、自社において直面する可能性のある課題を事前に予測し協議を優位に進めるためにも、事前に精緻な計画を立てる必要があります。 事業に対する潜在的な影響を評価するための出発点は、通常、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、並びに貸借対照表の財務3表を予測する財務モデルとなります。これが柔軟に変更可能な前提条件から構築されていれば、取引減少の影響を洞察したり、緩和策を講じた場合の影響を評価するために、迅速かつ容易に感度を上げることができるはずです。
非英国居住者を執行取締役や非常勤の取締役に任命する場合、英国税務当局(HMRC – 英国歳入関税庁)が要求する複雑なコンプライアンス義務を果たすことが不可欠となります。 多くの英国企業は、英国居住者でない個人を取締役または非常勤の取締役に任命していますが、通常、英国滞在時間は比較的短く、取締役会に出席するために訪れる程度です。 英国での収入や利益を正しく報告しなかった場合、罰則が課される可能性があるほか、当該企業と取締役の双方に風評被害が及ぶこともあります。
日本の国民医療費は少子高齢化や医療技術の発達などの影響で毎年増加しています。現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という社会保障の構造を見直し、全ての世代で広く安心を支えていく「全世代対応型の社会保障制度」を構築するため、政府は健康保険法等の一部を改正しました。その改正の一つとして任意継続被保険者制度の見直しが行われました。
ドイツ公認会計士協会(IDW)は、2020年10月にポジションペーパー「非財務報告と保証の未来(FUTURE OF NON-FINANCIAL REPORTING AND ASSURANCE)」(以下「IDWポジションペーパー」)を公表しました 。少し前に公表された文書ではあるものの、サステナビリティ開示を巡る現在の状況を踏まえても興味深い内容です。そこで本稿では、サステナビリティ情報開示を巡る課題を中心に、当該IDWポジションペーパーの概要をお伝えします。
最近よく行動経済学という言葉を聞きますが、これは伝統的な経済学とどこが違うのでしょうか。また、実際の政策運営に生かされているのでしょうか。 今月号では、日本銀行金融研究所長や京都大学公共政策大学院教授などを歴任され、実務と理論に精通されている翁邦雄・大妻女子大学特任教授に、行動経済学について解説して頂きます。
10月1日のインボイス制度開始にあたり、原則 として、仕入税額控除を行うには取引先から交付を受けたインボイス(適格請求書)の保存が必要となりますが、インボイスの交付が受けられない場合には帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能です。
国税庁は2023年3月30日に「租税条約における「利得の分配に係る事業年度の終了の日」の取扱いについて」を公表しました。先般、国が敗訴した令和5年2月16日東京高裁判決令和 4年(行コ)第72号を受けたもので、分割型分割を事由としたみなし配当がある場合、租税条約で適用される軽減税率の判定について、株式の保有期間要件の取扱いを変更したものです 。
政府は、スタートアップへの投資額を、2021年の8,000億円規模から2027年度にはその10倍を超える規模(10兆円)とする目標を掲げています。2022年11月に「スタートアップ育成5か年計画」を閣議決定し、スタートアップへの投資額の目標を実現するために、①スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築②スタートアップのための資金共有の強化と出口戦略の多様化③オープンイノベーションの推進を柱として推進していくことを掲げました。
【財政部 税務総局公告2023年第19号】増値税小規模納税者に対する増値税減免政策に関する公告 【財政部 税務総局公告2023年第12号】小規模薄利企業及び個人事業者の発展をさらに支援するための税制政策に関する公告 【財政部 税務総局公告2023年第13号】小規模企業への融資支援のための税収政策に関する公告 【財政部 税務総局公告2023年第29号】外国籍個人への補助・手当に関する個人所得税優遇政策の継続実施に関する公告 【財政部 税務総局公告2023年第30号】年間一括賞与に係る個人所得税政策の継続実施に関する公告 【国発〔2023〕13号】個人所得税関連特別付加控除基準の引き上げに関する通知
日系企業の中国子会社は10,000社以上にのぼり、進出当初と現在では事業環境が大きく変わっているケースも少なくないと思われます。本稿では、中国子会社側での余剰資金を日本本社へ還流させる方法についてご紹介いたします。主な資金還流方法は、利益配当と資本金を減少させて減資対価を支払う有償減資があります。
前回(2023年5月 第27号)は類似案件調査の必要性と仮説構築のやり方について解説しました。今回は、引き続き検証範囲の絞り込み方と調査手続について解説します。
CBAM(Carbon Border Adjustment Mechanism)とは、EU市場への炭素集約的な輸入品に課金するための新しい方法です。対象となる商品の輸入者は、その商品に内在する炭素排出量を計算し、最終的にその排出量に対する“上乗せ分”を支払わなければならないこととされており、CBAMの目的は、環境を犠牲にしてEU域外から低コストの商品が輸入されるのを阻止することにあります。 当該CBAMルール移行期間が本年10月1日より開始されるのに先立ち、本稿では改めてその制度概要と意義等について、概説いたします。
ドイツ連邦議会は2023年5月11日、「使い捨てプラスチック基金法(EWKFondsG)」の導入を可決しました 。これにより、使い捨てプラスチック製品の使用が減少することが期待されています。メーカーだけでなく、販売業者や輸入業者等も対応を検討する必要があります。
「経済財政運営と改革の基本方針2023」(以下、「基本方針」とする。)が令和5年6月16日に閣議決定されました。基本方針では、科学技術・イノベーションの推進による経済成長を基本戦略の一つと位置付けています。その中でもGX(グリーン・トランスフォーメーション)は中心的な取り組みの一つとされています。GXの理解を深めることは、今後の技術トレンドや最先端の研究開発動向を理解することにつながり、注目すべきテーマといえます。
