マネジメントのための経営財務情報『拝啓社長殿』

2025年IPO市場の総括2026年の展望

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2025年(暦年ベース、以下同じ。)のIPO市場は新規上場会社数が110社(TOKYO PRO Market及びFukuoka PRO Marketのプロ向け市場を含む、以下同じ。)と2024年の134社から24社の減少となりました。2026年は足元3月末までの新規上場会社数(執筆時点での予定社数)は18社となっています。

市場別及び業種別の新規上場会社数の推移

【表1】は市場別の新規上場会社数の推移を示したものです。2025年はグロース市場への上場は40社と、上場維持基準の見直し(上場5年経過後から時価総額100億円以上)が行われた影響もあり前年から23社減少しました。TOKYO PRO Marketへの上場は46社となり前年から4社減少しましたが前年同様に高水準となりました。一方で東京証券取引所のTOKYO PRO Market除く上場廃止会社数は125社となり、2年連続で過去最多となりました。

【表2】は業種別の新規上場会社数の推移を示したものです。2025年は情報・通信業の上場が2024年の35社から5社減少し30社となりました。サービス業の上場も29社と、2024年の40社から11社減少しましたが、情報・通信業とサービス業の割合が依然として高くなっています。

(注)2026年は、3月末までの新規上場会社数(執筆時点での予定社数)/TPM:TOKYO PRO Market

※ 2022年3月以前の上場会社数は、東証一部はプライム市場、東証二部及びJASDAQスタンダードはスタンダード市場、マザースはグロース市場に含めて集計しています。

2025年IPO銘柄の特徴~大型銘柄、パーシャルスピンオフ、形式要件の特例の適用による上場

2025年は時価総額1兆円超の㈱SBI新生銀行、ソニーフィナンシャルグループ㈱などを含む初値時価総額1,000億円以上の大型銘柄4社が上場しました。なお、ソニーフィナンシャルグループ㈱は2023年度の税制改正で認められたパーシャルスピンオフ制度による日本初の上場、また、㈱SBI新生銀行については、上場時点においてプライム市場の流通株式比率に適合しない見込みのため形式要件の特例(有価証券上場規程第715条第2項)の適用を受けての上場となりました。

お見逃しなく!

最近の新規上場会社の会計不正事例を受けて、日本取引所グループ、日本公認会計士協会及び日本証券業協会はそれぞれ対応策を公表していましたが、2026年3月26日に連名により「新規上場時の会計不正事例を踏まえたIPO関係者の対応について」があらためて公表されています。これら一連の公表は、『経営者の誠実性』こそが上場会社の最重要要件であるというメッセージであり、単なる規制強化と捉えるのではなく、経営の誠実さを土台にガバナンスを磨き上げ、投資家から真に信頼される公器として上場後も持続的成長を遂げていく強い会社が求められることをあらためて示したものと考えられます。

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