2025年IPO市場の総括と2026年の展望
マネジメントのための経営財務情報『拝啓社長殿』2025年のIPO市場は、新規上場会社数が110社と、前年の134社から減少しました。特にグロース市場では上場維持基準の見直しの影響もあり、上場数が大きく減少しています。一方で、TOKYO PRO Marketは引き続き高水準を維持しており、市場ごとに動向の違いが見られます。また、2026年は3月末時点で18社の上場が予定されており、今後の動向にも注目が集まります。

2025年12月に日本銀行は政策金利を0.75%程度に引き上げました。「金利のある世界」への環境変化を「財務リスク」ではなく、「ビジネスモデル変革の好機」と捉え直す経営の指針を紹介します。
経団連が2024年12月に公表した「“金利のある世界”に関するアンケート」によると、約7割の会員企業が「金利のある世界」を「ポジティブ(どちらかと言えば含む)」と答えています。主な理由に「本来あるべき経済環境」(93%)、「景気が良い状態を指す」(43%)が挙がり、大企業の多くは金利上昇を経済正常化の証と捉えます。一方で、帝国データバンク(TDB)が2025年12月に実施した「金利上昇による企業への影響調査」では、企業の44%が金利上昇による「マイナス」面の影響が大きいと答えています。特に「借入コストの増加」負担を懸念する声が強く、中小企業は負担増を実感しています。
大企業と中小企業の対照的な結果は、デフレ時代の「コストカット・現状維持型」から、「金利のある世界」に適合した「投資・付加価値創出型」の経営モデルへの転換を示唆します。経団連の報告書『「金利のある世界」と企業行動のあり方』は、時間の価格(金利)がゼロに近いデフレ時代には、企業は投資を抑え現状維持を続けられたが、「金利のある世界」では時間の価格が上昇するため、「支払う金利以上に、自社の事業は利益を生み出せているか?」(投資効率・成果)が問われると指摘します。
「金利上昇=経営悪化」とは限りません。2025年版中小企業白書の分析によると、政策金利が1.5%まで上昇しても企業が適切な「価格転嫁」と「生産性向上」を行えば、人件費や利払いの増加負担を、売上高増加に伴う限界利益の増加が大きく上回り、中小企業の経常利益は4年間で約28%増加すると試算します。そのために白書、経団連、TDBが提案するアクションは次の3つに集約されます。
経団連調査では、金利上昇への対応として約半数の企業が「価格戦略の見直し、価格転嫁」を挙げています。原材料費が上がったから価格を上げる「守りの転嫁」だけでなく、自社の商品・サービスの付加価値に見合った「攻めの価格設定」を求める努力で適正な利益を確保する必要があります。
白書の分析が前提とする利益増は生産性向上が条件です。経団連の報告書では、経済全体として「1%超の生産性向上」、「3%超の付加価値創出」が望ましい姿とされます。金利負担を恐れて成長に不可欠な投資を止めれば金利上昇時のコスト増に耐えられないため、賃上げ・人材育成による人材確保と能力向上(人的資本投資)、省人化・効率化によるコスト構造変革(DX投資)の双方を求めています。
TDBの調査では、借入依存度が高い業種を中心に金利上昇への懸念に対して財務体質の強化を図る必要性が高まっています。経団連の調査で対応策として挙がった「資金調達先の多様化」(44%)、「金利上昇シナリオの策定」(33%)、「固定金利での借入」(28%)といった、金利上昇を前提に自社の損益分岐点の動きを予測し、金融機関と対話できる準備を整えることが経営の安定につながります。
経済産業省が国内投資の動向を可視化した「国内投資マップ(2026年1月時点版)」は、国の支援策を活用した約34万件の主な事例を通じて他社の投資動向や活用可能な支援策を知るのに役立ちます。
2025年のIPO市場は、新規上場会社数が110社と、前年の134社から減少しました。特にグロース市場では上場維持基準の見直しの影響もあり、上場数が大きく減少しています。一方で、TOKYO PRO Marketは引き続き高水準を維持しており、市場ごとに動向の違いが見られます。また、2026年は3月末時点で18社の上場が予定されており、今後の動向にも注目が集まります。
2026年1月、金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ(WG)」より、最新の報告書が公表されました。サステナビリティ開示・保証制度は東京証券取引所プライム市場上場企業を主な対象としていますが 、開示にあたってはバリューチェーン全体のリスクや機会を評価することが重要視されています。そのため、開示が義務化されるプライム市場上場企業だけでなく、それらの企業と取引のある企業に対しても、温室効果ガス(GHG)排出量(Scope 3)をはじめとする情報の提供が求められる可能性があります。
中国は現在、“十五五”計画(第15次5ヵ年計画)に基づき、産業の高度化と国家経済の安全保障を中心とした新たな成長戦略を推進しています。これに伴い、本土企業によるM&Aの活発化や先端製造業への投資拡大が進んでおり、日本企業にとっても重要な参考材料となる動きが見られます。
2025年のIPO市場は、新規上場会社数が110社と、前年の134社から減少しました。特にグロース市場では上場維持基準の見直しの影響もあり、上場数が大きく減少しています。一方で、TOKYO PRO Marketは引き続き高水準を維持しており、市場ごとに動向の違いが見られます。また、2026年は3月末時点で18社の上場が予定されており、今後の動向にも注目が集まります。
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