2019年第02号
今回のテーマ:日本・香港・中国本土の徹底比較・分析(その2)
前回に続き、中国の日系地域統括本部の現状および実務問題について紹介する。
中国で「多国籍地域本部」として認定される組織として、「投資性公司[1]」は代表的な例である。2018年3月末現在では、中国で設立された日系投資性公司は計135社であり、そのうち43社は北京、75社は上海に本店所在地を置いている。その背景には、北京および上海が中国の政治・経済・文化の中心であるとともに、北京市政府および上海市政府が多国籍地域本部に対する様々な奨励政策を打ち出していることが考えられる。
これらの投資性公司のうち、一番多い業種は電気機器業(25社)、その次に輸送用機器業(18社)、化学業(16社)、機械業(14社)、食料品業(10社)など、製造業を中心とした構成となっている。この傾向は上海のみならず、北京も同様である。一方、商社を含む卸売・小売業はそれぞれ9社・8社となっており、意外にも少ないことが調査で明らかとなった。
[1] 投資性公司とは、投資や株式の保有を主たる事業とし、かつ、一定の要件を満たした法人である。投資性公司は直接生産活動に従事できないため、日本の純粋ホールディングスに類似している。
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