2016年1月5日
年頭のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
昨年は、世界経済を牽引してきた中国経済に陰りが見え始めたものの、アジア・アフリカ地域ではインフラ投資も順調で、人々の生活を豊かにする更なる経済発展が期待されます。難航したTPPもようやく大筋合意に達し、我が国においても経済効果が期待されるとともに、開かれた市場での新たな機会・競争に、今後多くの日本企業が直面することとなるでしょう。
当法人は、各国グラントソントン事務所との連携強化に加え、現地でのジャパン・デスクの一層の充実により、海外ネットワークの構築を着実に進めてまいりました。企業の皆様の海外展開に、本当に必要とされるサポートとは何かの視点を忘れずに、役立つサービスを引き続き提供してまいります。
また、我が国の企業環境においては、昨年のコーポレートガバナンス・コードの導入に伴い、ガバナンスの重要性に対する認識が高まり、その運用実務が動き始めました。しかし一方で、社会的影響の大きい企業不祥事・偽装等が生じた年でもありました。このことは、ガバナンスの重要性を反面事例として示したものといえ、当法人は、会計・監査の職業的専門家としてこの事実を真摯に受け止め、監査に対する資本市場をはじめ社会全体からの信頼回復に努める責務を業界の一員として痛感しております。
当法人ではかねてより、「監査法人として目指すべき方向性は何か」との基本的な問いに向き合い、資本市場の信頼性確保を最優先とする監査の公共性、及び監査が負うべき結果責任の重さを第一義的なものとして考え、高品質の監査を希求してまいりました。昨年来、当法人は、グループ内各社でのサービスラインを整理・再構築し、監査業務へ特化するとともに、法人組織体制の充実を図り、一層の監査品質向上を目指してまいりました。
監査に対する信頼の回復が必要な今、当法人が取り組んできたことの方向性を再確認し、引き続き高品質の監査を提供するとともに、その内容について社会的説明責任を果たすべく努めてまいります。
今後とも、より一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
太陽有限責任監査法人 総括代表社員(CEO) 山田 茂善