財務モデリングの基本5-M&Aモデルとプロジェクトファイナンスモデルの違い(後編)
プロジェクトファイナンス(PF)における財務モデルの特徴を、M&A等のトランザクションモデルとの比較を通じて解説します。PFモデルは多角的なステークホルダーの共通基盤であり、ノンリコース性を前提としてCFADSやDSCR等の指標をもとに借入可能額(Debt Sizing)や返済パターン(Debt Sculpting)を直接モデル上で算定する点に構造的な違いがあります。
2021/09/01 読了時間 1 分

本記事では、2019年1月1日から2020年6月30日までの18ヶ月間のオーストラリアのM&A案件(以下、案件といいます。)を対象としています。全体的な案件数は1,394件であり、前回(2017年7月1日から2018年12月31日まで)の18ヶ月間の1,403件とほぼ同じでしたが、案件が盛んであった2019年後半に対し、2020年上期は新型コロナウィルス感染症(Covid-19)のパンデミックの影響で大幅に案件数が減少したことで、二極化した期間となりました。オーストラリア経済の資源主導型経済から知識ベースのサービス経済への継続的な転換の動きは、本記事に見られるように、この期間を通じて加速していることがわかります。とりわけ情報技術(IT)セクターの伸びは大きく、パンデミック下の市場状況に後押しされ大幅な成長を遂げています。なお、本文中意見にわたる部分は、筆者の私見であることをあらかじめ申し添えさせて頂きます。
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プロジェクトファイナンス(PF)における財務モデルの特徴を、M&A等のトランザクションモデルとの比較を通じて解説します。PFモデルは多角的なステークホルダーの共通基盤であり、ノンリコース性を前提としてCFADSやDSCR等の指標をもとに借入可能額(Debt Sizing)や返済パターン(Debt Sculpting)を直接モデル上で算定する点に構造的な違いがあります。
財務モデルはさまざまな場面で使われます。その中でも「M&Aトランザクションモデル」と「プロジェクトファイナンス(PF)モデル」は、似ているようで設計思想が大きく異なります。違いは、前提条件、資金の見方、重視する指標、リスクの捉え方にあります。本稿では2回に分けてその違いを解説し、第1回では、PFの基本的な仕組みと特徴、財務モデルの役割や構築上のポイントを紹介します。
財務モデルを構築する際、誰もが一度は直面するのが「循環参照」の問題です。計算がループしてしまい、Excelにエラーメッセージが表示されると、モデルの信頼性が揺らぎかねません。本稿では、プロフェッショナルな財務モデリングにおいて、循環参照がなぜ起きるのか、そしてどのように解決すべきかを解説します。