教育訓練休暇給付金
社会保険労務ニュースレター急速なデジタル化やAIの進展により、企業と個人に求められるスキルは大きく変化しています。社会構造の変化とリスキリングの重要性の高まりを背景に、2025年10月から厚生労働省によるリスキリングを後押しする新制度「教育訓練休暇給付金」が開始されました。本稿では、制度の概要と実務上のポイントを整理します。

2026年4月は、人事・労務関連で企業実務に影響のある法改正があります。必ず押さえておきたい3つの改正事項について、概要と実務対応のポイントを解説します。
政府の少子化対策「こども未来戦略(加速化プラン)」のための特定財源として、子ども・子育て支援金が新設されます。健康保険料に 「標準報酬月額 × 0.23%(労使折半)」 が上乗せされ、2026年4月保険料(5月給与天引き)から徴収が始まります。なお、0.23%は 2026年度の料率であり、2028年度まで段階的に引き上げられる予定です。既存の 「子ども・子育て拠出金」(厚生年金・事業主負担のみ)とは別制度であり、混同しないよう注意が必要です。
社会保険料増加により従業員の手取り額が減少するため事前説明が必要です。また給与規程にて控除項目を限定列挙している場合は、規程改訂が必要となる可能性があります。控除項目が「法定社会保険料」などの包括的な表現になっているかを事前に確認しておくとよいでしょう。
女性活躍推進法の改正により、情報公表の必須項目が拡大されることとなりました。従来の公表項目に加えて、「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が義務化されます。
企業には管理職定義の整理、男女別賃金データの集計、賃金差の要因分析を行うとともに、一般事業主行動計画(女性活躍行動計画)との一体的な見直しを進め、公表データを準備することが求められます。2026年4月以降に終了する最初の事業年度の実績を、翌事業年度開始後おおむね3か月以内に公表します。公表先は厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」または自社ホームページで、求職者を含む一般の閲覧者が確認できる形で行います。
在職老齢年金が支給停止となる基準額が大幅に引上げられます。
参考:政府広報オンライン『もっと働きたい!に応えて、在職老齢年金制度の基準額が2026年4月から引上げに』, 2026年3月25日取得
基準額引上げにより、これまで年金減額を避けるために就労時間や賃金を抑えていた高齢従業員が働き方の見直しを検討する可能性があります。企業は高齢者雇用制度の内容を確認するとともに、社内説明資料の更新や周知対応が必要となります。高齢従業員の人件費が増大する可能性があるため、制度改正の趣旨を踏まえつつ、賃金設計や役割定義などを含め、自社の高齢者雇用の方針を検討することも重要です。
これらの法改正は、女性の活躍推進や高齢者の就労環境改善を目指すものですが、企業側には社会保険料負担の増加や情報公表義務の拡大など、対応範囲が広がります。制度改正の背景や会社としての考え方を丁寧に伝えることによって、会社と従業員の間によりよい関係が築けるよう、今回の法改正対応を一つのきっかけとしてはいかがでしょうか。
急速なデジタル化やAIの進展により、企業と個人に求められるスキルは大きく変化しています。社会構造の変化とリスキリングの重要性の高まりを背景に、2025年10月から厚生労働省によるリスキリングを後押しする新制度「教育訓練休暇給付金」が開始されました。本稿では、制度の概要と実務上のポイントを整理します。
新型コロナの重症化率は下がった一方で、後遺症に悩む人は増えています。後遺症は、年齢や持病の有無、感染時の重症度、変異株の種類に関係なく、誰にでも起こり得る問題です。後遺症に悩む従業員が治療と仕事を両立できるように、職場ができる支援について、新型コロナ後遺症ポータル(新型コロナ後遺症ポータル 東京都保健医療局)で紹介されている内容を中心に確認していきます。
近年外国人労働者が増加し続けており、厚生労働省の『外国人雇用状況』によると、昨年10月末時点で前年比約25万人増の約230万人となり、過去最多を記録しました。日本の年金制度に加入していても、将来的に帰国を予定している外国籍の労働者にとって脱退一時金制度は注目すべき制度のひとつです。本稿では、脱退一時金制度の仕組みと請求要件、支給上限の引き上げ動向、そして社会保障協定との関係について解説します。