2026年4月法改正の概要と実務対応ポイント
社会保険労務ニュースレター2026年4月は、人事・労務関連で企業実務に影響のある法改正があります。必ず押さえておきたい3つの改正事項について、概要と実務対応のポイントを解説します。

急速なデジタル化やAIの進展により、企業と個人に求められるスキルは大きく変化しています。社会構造の変化とリスキリングの重要性の高まりを背景に、2025年10月から厚生労働省によるリスキリングを後押しする新制度「教育訓練休暇給付金」が開始されました。
労働者が就業規則等に規定された休暇制度に基づき自発的に30日以上の無給休暇を取得し、厚労省指定の教育訓練を受講する場合に、賃金の一定割合を支給して生活費を保障する制度です。
まず、事業主側では、解雇や雇止めを予定している労働者に休暇を取得させることはできませんので注意が必要です。虚偽の届出は罰則の対象となります。
一方、労働者側では、休暇を取得すると休暇終了後一定期間は失業給付などの受給ができません。また、副業で収入がある場合も対象外となります。さらに、教育訓練が1年以上に及ぶ場合や分割取得で給付日数が残っていても、初回休暇開始日から1年を過ぎると支給が受けられなくなります。不正受給が発覚した場合は罰則もあります。
企業にとって就業規則の整備や代替要員の確保等、本制度の実施にはハードルが高く感じられるかもしれません。しかしながら本制度には、人材育成コストを抑えながらスキル強化を促進できるメリットがあり、離職防止やモチベーション向上にもつながります。社員にとっても、生活費の心配なく学び、離職せずにキャリアアップを図れる安心感があります。制度をうまく活用すれば、労使双方にとって大きな価値を生む仕組みとなる可能性があります。
教育訓練休暇を導入する際には、職業訓練等の実施を支援する目的で既に存在する「人材開発支援助成金」を利用することができます。また、教育訓練休暇給付金自体は労働者の自発的な休暇が要件ですが、業務命令で教育訓練を受講させる場合でも、この助成金を活用できるケースがあります。
参考:厚生労働省 『人材開発支援助成金 人への投資促進コース のご案内(詳細版)』, 2026年1月20日取得
2026年4月は、人事・労務関連で企業実務に影響のある法改正があります。必ず押さえておきたい3つの改正事項について、概要と実務対応のポイントを解説します。
新型コロナの重症化率は下がった一方で、後遺症に悩む人は増えています。後遺症は、年齢や持病の有無、感染時の重症度、変異株の種類に関係なく、誰にでも起こり得る問題です。後遺症に悩む従業員が治療と仕事を両立できるように、職場ができる支援について、新型コロナ後遺症ポータル(新型コロナ後遺症ポータル 東京都保健医療局)で紹介されている内容を中心に確認していきます。
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