「金利のある世界」への経営転換 ~脱デフレ思考と付加価値創出で勝ち抜く3つのアクション~
マネジメントのための経営財務情報『拝啓社長殿』2025年12月に日本銀行は政策金利を0.75%程度に引き上げました。「金利のある世界」への環境変化を「財務リスク」ではなく、「ビジネスモデル変革の好機」と捉え直す経営の指針を紹介します。

東京証券取引所(以下「東証」)ではグロース市場(以下「グロース」)の機能発揮[1]に向け各種対応に取り組んでおり、その一環として、上場維持基準の見直しに着手しています。本稿ではこの動きと今後の新規上場に与える影響について触れます。(2025年7月10日現在の情報に基づいています)
今回の見直しではグロースの上場維持基準が「上場5年経過後から、時価総額100億円以上 」に変更される見込みです。詳細は以下を参照ください[2]。なお、制度要綱は9月に公表される予定です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
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見直し後の 上場維持基準 |
「上場10年経過後から、時価総額40億円以上」を「上場5年経過後から、時価総額100億円以上 」に変更 |
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適用時期 |
2030年以降、上場5年経過している企業に適用される予定 |
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スタンダード市場への市場変更 |
上述の上場維持基準に抵触する先のうち時価総額40億円以上の場合は、利益基準を満たさなくてもスタンダード市場への市場区分変更申請の対象 |
東証の市場区分(プライム・スタンダード・グロース)において、グロースは、高い成長を目指すスタートアップが果敢なチャレンジを行う市場と位置付けられています。未来の日本経済の成長を牽引するスタートアップが1社でも多く生まれるためには、企業が、機関投資家の投資対象となり得る規模(100億円以上)へと早く成長する必要があるという考えのもと、上場基準の見直しをすることに至りました。
今回の見直しにより上場準備企業あるいは市場関係者の上場に対するモメンタムが低下する可能性が高いと言えます。昨年来、維持基準の引き上げの議論が具体的な数字も示されながら続いたことで、既に上場時期の先延ばしや上場を断念する上場準備企業も少なからずあるようです。このため今後グロース上場の企業規模(時価総額ベース)が大きくなる一方で上場件数は減少し、また、上場準備段階のM&Aが増加することが予想されます。
モメンタムの低下を避けたいという考えがあるからか、東証は基準の見直しとともにIPOに関するスタンスのスタートアップへの周知、高成⻑の実現に向けて取り組む企業のサポート・メリットの創出にも取り組むとしています。
東証では市場区分の見直し後、投資家に魅力的でわかりやすくなるよう市場コンセプトの明確化を進めてきました。今後はスタンダード市場の方向性とプロマーケットの位置づけの整理を行うとしました。スタンダード市場に関しては、安定成⻑を目指す企業に適した市場となることを目指すとしています。
2025年12月に日本銀行は政策金利を0.75%程度に引き上げました。「金利のある世界」への環境変化を「財務リスク」ではなく、「ビジネスモデル変革の好機」と捉え直す経営の指針を紹介します。
2026年1月、金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ(WG)」より、最新の報告書が公表されました。サステナビリティ開示・保証制度は東京証券取引所プライム市場上場企業を主な対象としていますが 、開示にあたってはバリューチェーン全体のリスクや機会を評価することが重要視されています。そのため、開示が義務化されるプライム市場上場企業だけでなく、それらの企業と取引のある企業に対しても、温室効果ガス(GHG)排出量(Scope 3)をはじめとする情報の提供が求められる可能性があります。
中国は現在、“十五五”計画(第15次5ヵ年計画)に基づき、産業の高度化と国家経済の安全保障を中心とした新たな成長戦略を推進しています。これに伴い、本土企業によるM&Aの活発化や先端製造業への投資拡大が進んでおり、日本企業にとっても重要な参考材料となる動きが見られます。
日本と米国のユニコーン数の差には、ガバナンスや投資契約の成熟度の違いが影響すると指摘されています。本稿では、経済産業省の増補版が示す日米IPO時の相違点、ガバナンス体制の向上に向けた当事者の役割、投資契約に関する主要な論点を取り上げます。
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前回はIPOに係わる関係者として証券会社について説明しました。今回は証券会社と並んで準備を進めるにあたって重要な関係者である会計監査人中心に説明します。また、証券会社、会計監査人以外にもIPOに係わる関係者は多くいます。そうした関係者についてもあわせて説明します。