財務モデリングの基本 1
不確実性が増す現代の経済社会において、適切に構築された財務モデルは経営上の意思決定において重要な役割を果たすものとなり得ます。しかし、「適切に」財務モデルを構築するためには、モデルを作成した人以外の誰もが操作しやすく、理解しやすいものとなるよう基本的な“お作法”を守る必要があると筆者は考えています。本稿では、財務モデルの果たす役割・目的をお伝えするとともに、財務モデルが備えるべき基本ルールについて概説します。

「こんなはずじゃなかった」、「思っていた結果と違う」。ITやシステム導入プロジェクトにおいて、昔から多く聞かれる声です。2003年に日経コンピュータが実施した調査によると、当時のプロジェクトの成功率は26.7%と非常に低いものでした。その後、15年の時を経て、成功率は2008年に31.1%、2018年には大幅に向上し52.8%となっています。一見するとプロジェクト成功率が飛躍的に向上したようにも見えますが、一方で15年経っても、まだまだ半数近くのプロジェクトがうまくいっておらず、厳しい状況となっていることもわかります。