第24号「不正調査のアプローチ手法と調査手法 後編」 [ 258 kb ]において、不正調査におけるインタビューの進め方の概要をご説明しました。本稿では、不正調査において不可欠な手続であるインタビューについて、より詳しくご紹介します。不正調査におけるインタビューには、①通報者からの聞き取り、②不正に直接関与していない関係者からの情報収集、③不正に関係していると疑われる者から自白の裏付けを取る、などいくつかの局面がありますが、本稿では特に③を中心とした内容をご説明します。
財務モデルの作成においてモデル作成者が自身で適切なレビューを行うことは、モデルの品質を担保する上で非常に重要な要素となります。本稿では、モデルレビューにおいて留意すべきポイントをいくつか概説します。
2023年12月14日に公表された2024年度(令和6年度)税制改正大綱において、成長意欲のある中堅・中小企業が複数の中小企業を子会社化しグループ一体となって成長していくことを後押しするため、「中小企業事業再編投資損失準備金制度」を拡充する措置を講じることが明記されました。
Advisory Insightsの2022年12月号で「管理体制面に係るIPO準備の全体像」をテーマに、IPOを目指す企業が管理体制面において対応すべき一般的な項目や対応スケジュールを解説しました。今回はIPO準備における業務管理体制の整備・運用、各種規程類の整備・運用、J-SOX対応に焦点をあてて解説します。なお、本文中意見にわたる部分は、筆者の私見であることをあらかじめ申し添えさせていただきます。
近年において急速に社会のデジタル化が進むことによって、企業活動にとってデジタルデータはなくてはならないものになっています。世界のデジタルデータ量は、2025年において2015年の10倍以上となる163ゼタバイト(163兆ギガバイト)にもなるという米国調査会社IDCの予測もあります。そして、企業活動がデジタルデータと密接に関係する環境下においては、デジタルデータに不正行為の痕跡が残るようになっています。そのため、不正調査において膨大なデジタルデータを効率的に調査する手法である「デジタル・フォレンジック」が注目を集めています。デジタル・フォレンジックはまだまだ耳慣れない言葉かもしれませんが、不正調査と切り離して考えることはできないものです。本稿では不正調査におけるデジタル・フォレンジックについてその概要をご説明します。
経済産業省が「DX推進ガイドライン」を2018年に策定してから5年が経過しようとしています。 「DX」という言葉も浸透し、企業における取り組みも加速していると感じています。 コロナ禍を経験し、環境が劇的に変化した中で、経営者の危機感(DXに取り組まなければ企業価値を維持向上させられない)も取り組みを加速させている要因のひとつだと考えます。 一方で、「何を取り組むべきなのか分からない」「取り組みは進めているものの想定した効果が得られていない」というお声を聞くことも多くあります。 今回は「DXの目的」について一つの考え方をお伝えいたします。
経済産業省は「令和2年度税制改正に関する経済産業省要望」で過去に行われた大規模なTOBにおいて海外では株式対価又は混合対価が活用され、大規模かつ戦略的な M&Aが行われている一方で、日本ではそのほとんどが現金対価という調査結果を公表しています。日本で株式対価又は混合対価による M&Aが行われない理由の一つとして後述する組織再編の制度上の障壁があります。2021年3月にM&A促進のため会社法改正により株式交付制度が創設され、その制度上の問題点を解消する枠組みとなっています。他方で、当制度を利用した節税スキームが横行したため令和5年度税制改正により 2023年10月1日以降に行われる一定の取引が適用除外とされています。本稿では株式交付制度について税制の観点から概説します。
Advisory Insightsの2023年6月号で「IPO準備におけるコーポレート・ガバナンス体制」をテーマに、IPOを目指す企業がコーポレート・ガバナンスの体制において対応すべき一般的な事項を解説しました。今回はIPO準備における事業計画を策定する際の留意事項に焦点を当てて解説します。なお、本文中意見にわたる部分は、筆者の私見であることをあらかじめ申し添えさせていただきます。
昨今の高インフレ下の厳しい経済情勢において、多くの企業が今後数ヶ月間に自社の財務状況への影響を見極めるために財務予測を検討しています。とりわけ借入金の状況・返済スケジュール等を検討する上では、既存の銀行融資枠で必要運転資金を賄えるかを検討するだけでなく、コベナンツ(財務制限条項)に対してどのように対応するかを検討することが重要となります。貸手はコベナンツ違反の可能性に対して柔軟に対応してくれる可能性もありますが、自社において直面する可能性のある課題を事前に予測し協議を優位に進めるためにも、事前に精緻な計画を立てる必要があります。 事業に対する潜在的な影響を評価するための出発点は、通常、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、並びに貸借対照表の財務3表を予測する財務モデルとなります。これが柔軟に変更可能な前提条件から構築されていれば、取引減少の影響を洞察したり、緩和策を講じた場合の影響を評価するために、迅速かつ容易に感度を上げることができるはずです。
前回(2023年5月 第27号)は類似案件調査の必要性と仮説構築のやり方について解説しました。今回は、引き続き検証範囲の絞り込み方と調査手続について解説します。
経済産業省が23年4月に発表した中小企業白書では、日本の企業は現在、収益は回復傾向にあるものの、物価高騰、深刻な人手不足など引き続き厳しい状況にあります。
国税庁は、令和5年5月30日、「ストックオプションに対する課税(Q&A)」を公表しました。その中で、近年導入が進んでいた信託型ストックオプションに関する税制上の取扱いについて、権利行使時に給与所得として課税する旨の見解を明らかにしています。信託型ストックオプションについては、これまで新株予約権の権利行使時ではなく、新株予約権の権利行使により取得した株式の譲渡時に、譲渡所得として課税される考え方が一般的に取られてきました。今回、国税庁の見解が明らかにされたことで、導入企業における対応や、今後の導入における留意が必要になると考えられます。
財務モデリングにおいて、複数の(時には20を超えるような)事業体個々にモデルを作成し合算するケースはよくあることですが、このような時、Excelの3Dリファレンスが役に立ちます。複雑な数式を必要とせず、モデルユーザーにとっても非常に直感的なものです。
Advisory Insightsの2022年12月号で「管理体制面に係るIPO準備の全体像」をテーマに、IPOを目指す企業が管理体制面において対応すべき一般的な項目や対応スケジュールを解説しました。今回はIPO準備におけるコーポレート・ガバナンス体制に焦点をあてて解説します。なお、本文中意見にわたる部分は、筆者の私見であることをあらかじめ申し添えさせていただきます。
過去2回に亘って本件調査を解説しましたが、今回は類似案件調査について解説します。まだ不正の端緒が顕在化していない類似案件の調査は、本件調査とは異なる難しさがあります。類似案件調査のアプローチ方法と調査手続について2回に亘り解説する予定です。
平成29年度税制改正において、適格組織再編の新類型としてスピンオフ税制が創設されました。スピンオフは自社内の特定の事業部門又は子会社を切り出し、独立させるものであり、独立した会社の株式は元の会社の株主に交付されることとなります。スピンオフによる効果として、一般的に、(1) 経営の独立(事業の選択と集中、両社が中核事業に専念)、(2) 資本の独立(上場による資金調達・中核事業を軸とした成長投資)、及び(3) 上場の独立(企業価値の向上)、が期待されています。
