急速なデジタル化やAIの進展により、企業と個人に求められるスキルは大きく変化しています。社会構造の変化とリスキリングの重要性の高まりを背景に、2025年10月から厚生労働省によるリスキリングを後押しする新制度「教育訓練休暇給付金」が開始されました。本稿では、制度の概要と実務上のポイントを整理します。
新型コロナの重症化率は下がった一方で、後遺症に悩む人は増えています。後遺症は、年齢や持病の有無、感染時の重症度、変異株の種類に関係なく、誰にでも起こり得る問題です。後遺症に悩む従業員が治療と仕事を両立できるように、職場ができる支援について、新型コロナ後遺症ポータル(新型コロナ後遺症ポータル 東京都保健医療局)で紹介されている内容を中心に確認していきます。
近年外国人労働者が増加し続けており、厚生労働省の『外国人雇用状況』によると、昨年10月末時点で前年比約25万人増の約230万人となり、過去最多を記録しました。日本の年金制度に加入していても、将来的に帰国を予定している外国籍の労働者にとって脱退一時金制度は注目すべき制度のひとつです。本稿では、脱退一時金制度の仕組みと請求要件、支給上限の引き上げ動向、そして社会保障協定との関係について解説します。
職場における熱中症による死亡災害割合は他の災害と比べて約5~6倍高く、またそのほとんどが初期症状の放置・対応の遅れによることが分かっています。2025年6月1日から労働安全衛生規則が改正され、職場における熱中症対策が義務付けられることとなりました。企業には従業員を重篤化・死亡に至らせないために職場での適切な対策の実施が求められます。
2025年4月の育児介護休業法改正とあわせて、時限立法である次世代育成支援対策推進法も2035年3月末まで期限が延長され内容も改正されました。この法改正により、企業は男性の育児休業取得をはじめとした仕事と育児の両立支援に関する取組みを一層行う必要があります。
2025年4月および10月に施行される「育児介護休業法」の法改正について前回のニュースレターでお伝えしました。本稿では、法改正に伴う就業規則改訂についての見直しポイントと新たに創設される育児休業関連の給付金制度についてお伝えします。
男女ともに仕事と育児を両立できるように、段階的に育児休業制度の改正が進んでいます。今回の改正では、制度対象労働者の子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充や、男性の育児休業の取得状況の公表義務の対象拡大等が予定されています。
労働力が減少する日本では、人材不足が深刻化の一途をたどっています。さらにはリモートワークの広がりに伴い、OJTをはじめとする従業員教育が難しくなっているケースもあり「即戦力人材の確保」は企業にとってますます重要となりました。これまでの即戦力人材の採用は主に「中途採用」や「リファラル採用」でした。いま注目されている自社の退職者を対象とした採用活動である「アルムナイ制度」をご案内します。
2021年の高年齢者雇用安定法の改正により70歳までの就業機会の確保が努力義務化されました。定年は60歳とし65歳までの継続雇用制度を設けている企業でも、継続雇用制度を70歳まで引き上げることを検討されているのではないでしょうか。一方で、60歳定年後に有期契約を更新する場合、定年再雇用者にも無期転換ルールが適用されると年齢による上限規制ができないため、無期転換申込権が発生する65歳で雇用を終了しようとする動機となってしまいます。こうした状況を回避し65歳以上でも継続雇用がされやすい環境を促すため、継続雇用の高年齢者に対する無期転換ルールの特例が設けられています。
給与計算の簡略化や、人件費を見通しやすくすることなどを目的に導入される固定残業代制ですが、一定の要件を満たしていないと、時間外労働の対価と認められない場合があります。これまでに固定残業代の有効性について争われた裁判例から、概ね確立されてきた要件についてみていきます。
1人当たり4万円(所得税3万円、住民税1万円)の定額減税の実施などを盛り込んだ2024年度の税制改正関連法が、参議院本会議で可決・成立しました。企業には6月以降、定額減税への対応が求められます。ここでは給与・賞与に係る実務(月次減税事務)についてまとめます。
2024年10月から従業員数が常時51人以上の適用事業所において、パート・アルバイトに対する社会保険の適用対象者が拡大されます。適用対象者の条件・今回新たに対象となる適用事業所に該当するかの判定方法と、新規に該当する事業所で必要となる準備や留意事項を確認していきます。
会社員の配偶者で一定の収入額以下の方は被扶養者(第3号被保険者)となり、社会保険料を負担していません。しかし、一定の収入(壁)を超えて働くと社会保険料の支払いが発生し、逆に手取り収入が減ってしまいます。短時間労働者として就労する第3号被保険者が収入の壁を意識せずに働ける環境づくりを支援するための当面の対応として、「年収の壁・支援強化パッケージ」が2023年10月にスタートしました。
過去の年金を66歳以降に受給を選択するという申出支給の繰下げをせずに一括で受け取る場合、年金の請求権の時効が5年のため、71歳以降に請求する場合は、過去5年より前の年金は時効により受給ができませんでした。そうした問題点を緩和するため、「特例的な繰下げみなし増額制度」が2023年4月より施行されました 。
日本の国民医療費は少子高齢化や医療技術の発達などの影響で毎年増加しています。現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という社会保障の構造を見直し、全ての世代で広く安心を支えていく「全世代対応型の社会保障制度」を構築するため、政府は健康保険法等の一部を改正しました。その改正の一つとして任意継続被保険者制度の見直しが行われました。
労働契約を締結する際には、労働者に対して一定の労働条件を明示することが義務付けられていますが、2024年4月からその労働条件明示のルールが変わります。厚生労働省より通達が発出されたことを受け、その詳細について情報提供が開始されました。厚生労働省のホームページでは、改正を踏まえたモデル労働条件通知書も公開されています。改正の主なポイントについて説明します。
