中国において、グループ会社は事業拡大とともに、グループの資金の全体最適の目指すことが目的のため、各関連会社(子会社に限らず、持分法適用会社も参加することが可能)の持つ余剰資金をグループに集約し、キャッシュプーリング体制の導入が進んでいます。中国に複数の子会社・関連会社を有する企業グループにおいては、資金余剰がある関連会社A社と資金不足が生じている関連会社B社が存在する場合、中国における中核会社に資金を集め、キャッシュプーリングの仕組みを用いて、グループ内で資金を融通することにより、利息支出の企業グループ外への流出を防ぐことができます。
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中国の個人所得税法において、2022年1月以降、2つの優遇措置が廃止されます。1つは外国国籍者に対する住宅手当、子女教育費などの免税手当の廃止、もう一つは賞与の税額計算に関するものです。これらの廃止により個人所得税額が大きく増加するケースが多くなることが想定されます。本稿ではケースを用いて、廃止後の負担増加額を解説します。
1994年の税制改革に伴い、中国では金税工程が開始されました。金税工程とは、中国の税務情報管理をシステム化、ネットワーク化するプロジェクトです。2020年11月、中国国家税務総局は金税四期工程の落札者を募集し、2021年1月には、落札したプロジェクトが公告され、金税四期で実現しようとしているプロジェクトの概要が次第に明確になってきました。
2019年1月1日、国際租税協力(経済的実体)法(The International Tax Co-operation (Economic Substance) Law)が施行されました。同法は、BVI等に設立された事業体に高い水準の経済的実体を維持することを求めています。経済的実体を維持できない企業は、罰金や刑事上の処罰が課される可能性があり、最終的には、所在国・地域の会社登記が抹消される場合もあります。 このような状況下において、BVI等の子会社が経済的実態を維持できないと判断し、撤退する日本企業が続出しています。 今回は、BVI等の持株会社を経由し中国本土に事業会社を保有する日本企業の、日本・中国・BVIの三か国間の税務上の取扱いについて、事例を基に解説します。
中国では発票(請求書兼領収書)の電子化が進んでいます。日系企業も、電子化に対応する必要がありますが、これまでの煩雑な作業の合理化やリスクマネジメントの水準を高めるための好機としてとらえることも可能であると思われます。
日本の過少資本税制は、内国法人がその国外支配株主から資本持分の3倍を超える借入を行う場合に、支払う負債の利子の損金算入を制限することによって、内国法人租税回避行為を防止するための制度です。 日本のみならず、欧米やアジア諸国においても、同様の制度が設けられています。今回は、中国と日本の過少資本税制の相違点について解説します。
アニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は、過去最大のペースによる興行収入を記録しつつあります。その人気は日本にとどまらず、世界中に拡大しています。 中国も例外ではなく、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)などのSNSで注目を集め、中国国内での早期公開を期待する声が続々と寄せられています。今回は、外国映画を中国で上映するための税務上の留意点を紹介します。
新型コロナウイルス感染症の継続的流行の影響を受け、海外の不採算事業の撤退を検討する国内企業が続出しています。中国事業からの代表的な撤退手法の一つとして持分譲渡が挙げられますが、今回のニュースレターでは、持分譲渡に係る持分価値の評価について解説します。
中国に子会社を持つ日系企業が、中国子会社の清算等の組織再編を検討するにあたって、清算の困難さはよく知られていますが、中国政府はシステム化・情報共有化により、清算手続きの簡素化・期間の短縮を図ることにより、外資企業の投資環境を改善する動きを進めています。
通常の会計監査でよく聞く言葉はゴーイング・コンサーン(Going concern)とはありますが、所謂継続経営の前提で、企業が財務諸表を作成し、監査を受ける際に、継続経営が懸念される場合、注記などで説明を加えられることもあります。 一方、すでに清算段階に入った会社にとっては当然継続経営ではなくなります。財務諸表の作成目的は経営成績、財政状態の適正表示ではなく、清算処理の適法性・妥当性と残余財産の分配になります。では、実務上どう扱うのでしょうか。今回は、清算監査における留意点につき紹介します。
海南は「海のシルクロード」の重要な駅として、昔から中国から世界への重要な貿易港に位置付けられています。「一帯一路」の進展により、海南は再び国際貿易の「中枢」になりました。 中国政府は自由かつ便利な貿易港を作るため、「海南自由貿易港の建設全体プラン」を公表し、更に企業所得税(「財税(2020)31号」)及び個人所得税(「財税(2020)32号」)の税制優遇措置を発表しました。
新型コロナウィルスの影響で、中国駐在員が日本に一時帰国したものの、日本における滞在が長期化する傾向が出てきています。一時帰国の期間が長期化すれば、中国での居住期間が短期化し、中国において、滞在期間が「183日未満」の非居住者に区分される場合も生じます。 今回は、日中両国の所得税の納税義務者、課税所得の範囲、二重課税の態様とその排除の方法を紹介します。
従来の税務機関は、国家税務総局を頂点とする国家税務機関と省人民政府を頂点とする地方税務機関に分けられ、財源収入と徴収管理権が一致しない税種も多く、行政の不効率を指摘するむきがありました。そこで、納税者情報の共有および徴収管理の協力体制を構築するため、2018年6月より、北京を初めとした各地域の国税、地税統合作業が開始されました。統合後の税務機関の組織構造は地域によって、若干異なることもありますが、①エリアの税務局、②税務調査を担当する市調査局、③各行政区の徴収管理分局(支局)の三つのブロックに大きく分けられ、更に③の各行政区の徴収管理分局(支局)の下には、税源管理所、徴収ロビー、日常調査所、専門職所などが設置されています。
中国当局は、外国からの直接投資を積極的に呼び込むために、旧来の会社計算規定を改め、新たな会社法制を採用しました。具体的には、2020年1月1日より、『外商投資法』(以下、「本法」)及び『外商投資法実施条例』(以下、「本法条例」)を実施し、従来の「中外合資経営企業法」、「中外合作経営企業法」及び「外資企業法」から成る、いわゆる「外資三法」を廃止しました(本法42条)。 本法31条には、「外商投資企業の組織形態、組織機構及びその活動準則には、2018年10月26日施行の『中華人民共和国会社法』(以下、「会社法」)、及び『中華人民共和国パートナーシップ企業法』等の法律の規定を適用する」と規定されましたので、今後の合弁企業、合作企業、外資企業の利益処分及び利益分配は、会社法の規定に準拠することが明らかになりました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国政府はこれまで各種の支援策を公表してきました。今回のニュースレターでは、企業の労務コストを削減するための中国政府による支援策、とりわけ社会保険制度に係る支援策を紹介します。 中国における社会保険給付は、「養老保険」「医療保険」「労災保険」「生育保険」「失業保険」の5種類から構成され、税務局により保険料の徴収が行われます。 保険料は、原則、企業と従業員の双方が負担するものですが、地域や保険種目によっては、企業が全額負担しなければならないものがあります。 今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響で大打撃を受けた企業にとって、当面の社会保険料負担は、まさに傷口に塩を塗り込むようなものです。そんな中、中国政府による社会保険に係る支援策は、まさに雪中送炭と言えます。
