IT&オペレーションズ
東京都カスタマー・ハラスメント防止条例が2025年4月1日より施行されました。カスハラというと消費者と企業との関係を思い浮かべがちですが、いわゆるB to Bの関係についても企業の対応が注目されています。
近年、急速な市場変化やテクノロジーの進化を背景に、企業の基幹業務システムにも抜本的な見直しが求められています。その一つの解決策が「コンポーザブルERP(Composable ERP)」というアプローチです。
※ ERP:ここでは会計や販売、生産管理など、統合経営管理システムを指します
従来型ERPの中心的な価値は、財務、調達、生産、販売、人事などの業務プロセスを1つのシステム上で統合・標準化することによって、全社の効率性と可視性を向上させる点にあります。
このアプローチには
という傾向があり、ビジネススピードが加速し、個別ニーズが多様化する現在の経営環境において、リスク要因にもなり得ます。
これに対し、コンポーザブルERPは近年のシステム間連携技術の向上に基づき、例えば、財務会計はA社の製品、人事管理にはB社のクラウドサービス、生産・販売管理は業界特化型のC社ソリューションを採用、共有が必要な登録情報や経営者・管理者が求める意思決定情報はリアルタイムに自動連携させる、といった具合に、事業・部署ごとの特性に合わせたシステムを柔軟に組み上げる(ベスト・オブ・ブリード)というシステム構築の考え方です。複合業態に強いのも特長の一つです。従来型のERPに比べ、関連するシステムのグランドデザイン力が求められますが、コンポーザブルERPは企業経営に次のような価値をもたらします。
ERPは「統合・標準化ツール」から「ビジネスを加速させるための可変的な武器」にシフトしつつあります。経営者がこのパラダイムの変化を理解し、先頭に立って推進することが、次世代の競争力の鍵となるでしょう。