2022年2月24日のロシア軍によるウクライナへの侵攻は、経済のあらゆる分野に重大な短期的・長期的影響を及ぼしています。 2022年12月、ドイツ会計士協会(IDW)は、『ウクライナ侵攻が財務諸表と監査に及ぼす潜在的影響』の第4次アップデートを発表しました 。
2022年12月、英国会計基準の設定主体である英国財務報告評議会(Financial Reporting Council, 以下FRC)が、2025年1月以降適用を予定する英国基準の改正案について、コメント募集を開始しました。本稿では、英国の会計・監査制度の概観を示すとともに、当該改正の概要について解説致します。
2022 年 12 月 27 日発表の連邦官報(DOF)で、2023 年度税務細則(以下、「RMF」 という)が発表されました。本RMF は 2023 年 1 月~同年 12 月 31 日まで適用されるも のとなります。 本記事では昨年度との主要な変更ポイントや、現地日系企業に関連すると考えられる点にフォーカスして解説をしていきます。
2021年3月、英国歳入関税庁(His Majesty’s Revenue and Customs – HMRC)は移転価格文書化に関するコンサルテーションを開始しました。このコンサルテーションでは、英国に拠点を持つ大規模企業が、OECDの標準的なアプローチに従ってマスターファイル及びローカルファイルの文書を維持し、要求に応じて作成することを義務付けるべきかどうかが検討されました。
昨今、各国でサステナビリティ開示の議論が活発化し、開示ルールの法制化が進んでいます。 日本においては2023年3月期より、有価証券報告書に「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄が新設され、人的資本等のサステナビリティに関する情報開示がなされる見込みです。また、「従業員の状況」にも、女性活躍推進法等に基づき、管理職比率や男性育休取得率、男女間賃金格差等の指標を公表している会社は、従来の記載情報に追加して、これらを記載することが求められます(金融庁:『「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について(2022年11月7日)』より)。 一方、EU議会では、2022年11月28日に、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の最終化について合意がなされました。当該指令により、従来の非財務情報報告指令(NFRD)と比較して、より多くの企業が欧州におけるサステナビリティ開示の対象に含まれます。 EU域内で上場していない企業でも、同地域において一定規模以上の子会社がある場合には、当該拠点ベースでサステナビリティ情報の開示が必要になるほか、要件に合致した場合には第三国所在の親会社を含む連結ベースでの開示を求められることになり、影響は大きいと考えられます。
EU内での共通税目である付加価値税は、売上高を課税ベースとすることもあり、加盟各国の税収に占める割合が高い税目の一つです。 また、課税・不課税の判定、課税が生じるタイミング、クロスボーダー取引の際にどの国で課税をすべきか等、考慮すべき項目が多いことからも、税務調査の際にも議論が生じやすい税目と言えます。事業者はサプライチェーンの構築に際し、こうした事項や関連するITシステムも考慮に入れながら、自社にとって最適な取引形態を検討する必要があります。
ドイツの充実したビジネスインフラや、他のヨーロッパ諸国へのアクセスの良さから、ドイツ子会社を欧州エリアの地域統括拠点として活用する日系企業が多くあります。そこで今回のニュースレターでは、グループ会社間での利子や配当の取扱いを中心に、ドイツ子会社を含めたグループ経営、グループ再編において留意すべき国際税務論点についてお伝えします。
企業活動においてSDGs(持続可能な開発目標)やCSR(企業の社会的責任)への取り組みの必要性が高まっていますが、ドイツではこうした活動目標をより具体的な法案に落とし込んだ、「サプライチェーンにおける企業のデューデリジェンス義務に関する法律」(以下、「サプライチェーン法」)の適用が近づいています。 ドイツ国内の従業員3,000人以上の会社は2023年1月1日から、同1,000人以上の会社は2024年1月1日から同法の適用対象となります。適用対象となった場合、企業は国内外を問わず、自社に納入される部品・製品の製造過程において労働者の人権が侵害されていないか、また環境に十分配慮されているかなどについて、確認し、報告する義務が生じます。 一定規模以上の企業を対象にしてはいますが、適用対象となる企業と取引を行う企業においても間接的な影響を受けることが見込まるため、同法の概要や具体的に求められる事項について、理解を深めておくことが有用です。
2022年7月12日、ドイツ連邦財務省(BMF)は、2021年3月22日に採択されたEU理事会指令2021/514(DAC7)の実施法案(以下「本草案」とする)を公表しました。本草案には、税制の公平性をより高めるための様々な措置に加え、移転価格文書の提出期間を30日間に統一するという大きな変更点が盛り込まれています。 本ニュースレターでは、本草案の概要をご紹介するとともに、海外子会社を含む連結グループの経営において、常に論点となる移転価格税制と、関連文書の作成義務の概要についてご紹介します。
前回の本ニュースレターでは、ドイツに進出する日系企業が選択しうる会社形態を紹介しました。 第2回となる本稿では、当該会社形態別の課税要件、および日系企業ドイツ子会社がよく目にすると考えられる論点を中心に、ドイツ法人税制の概要をご紹介します。
欧州一の経済規模を誇るドイツは、安定したエネルギーや通信等のインフラ、進出企業に対する各種インセンティブ制度、高い生産性や優秀な人材等、投資先としての魅力に優れ、日系企業の進出先として、EU域内でトップの実績を誇ります。 第1回となる本ニュースレターでは、ドイツに進出する日系企業が選択しうる会社形態、会計基準等、ドイツ進出企業が考慮すべき基本的事項をまとめました。特に、欧州では会社規模により提出すべき決算書の種類や外部監査人による監査要件が異なるため、自社がどの会社区分に該当するのか、常にウォッチしておくことが必要です。
近年、中国新三板企業の買収または資本参加を行う外国企業に関する税務上の問い合わせが非常に増えています。新三板企業の株主の性質ごとに、株式譲渡に関する税目や税率などに違いがあります。今回は、税務事項に関連する事例にもとに簡易ながら分析を行います。
本章で、法務、行政、労務並びに税務の面から企業合併(吸収合併)、事業譲渡、持分譲渡を比較検討する。
2022年1月20日、経済協力開発機構(以下「OECD」)は「多国籍企業と税務当局のための移転価格算定に関するガイドライン」(2022年版)(以下「移転価格ガイドライン」(2022年版))を公布した。 「移転価格ガイドライン」は、OECDに所属する各加盟国の、多国籍企業の関連者間取引の移転価格算定方法の解釈について示したものである。「独立企業間取引原則」は依然として「移転価格ガイドライン」(2022年版)の主な内容であり、各国の税務当局は「独立企業間取引原則」の具体的な要求に従って、多国籍企業の関連者間取引の移転価格算定方法の合理性について分析・評価を行うこととなる。 「移転価格ガイドライン」(2022年版)は2017年版をもとに、主に「取引利益分割法の適用ガイドライン」、「評価困難な無形資産に関する税務管理の適用ガイドライン」および「金融取引に関する移転価格ガイドライン」を補足・改訂している。
筆頭株主や経営幹部の交代がIPO(新規上場)企業の事業運営に不安定と不確実性をもたらすことを避け、またIPO前の株主が株式を大量に売却することによりIPO企業の株価に影響を与え、他の株主の利益を損なうことを避ける趣旨から、中国A株のIPOでは、IPO前に株主が保有している株式の譲渡に対してはロックアップ期間(ロックアップ:上場直後の譲渡を禁止する制限)を設けています。これらの株主が保有する株式を自由に流通させることができるのは、ロックアップ期間終了後となります。すなわち、ロックアップ期間中、これらの株主が保有する株式は「譲渡制限付株式」として資本構成に反映されることとなります。
2021年9月に発表された2022年度法改正パッケージは、議会での検討による一部の修正を経て同年11月12日に連邦官報(以下、「DOF」という)に正式に発表されました。
