2021年12月、OECDからデジタル課税第二の柱グローバルミニマム課税におけるGloBE(Global Anti Base Erosion)モデルルールが公表されました。 既に137の国と地域が第二の柱の新制度に合意し、2023年の発効に向けて各国で国内法の整備がすすめられており、日本においても令和5年度以降に税制改正がなされることが見込まれています。連結売上 7.5 億ユーロ以上の多国籍企業が対象となり多くの日本企業への影響が想定されるため、本稿では第二の柱のモデルルールであるGloBEルールのしくみについて解説します。
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経済協力開発機構(OECD)は、多国籍企業が国際的な税制の隙間や抜け穴を利用した租税回避によって、税負担を軽減している問題「税源浸食と利益移転」(BEPS:Base Erosion and Profit Shifting)に対処するためのプロジェクトを立ち上げました。OECDは、そのプロジェクトの一環として、経済のデジタル化に伴う課税上の課題についても議論を続けています。 2019年にOECDは、経済のデジタル化に伴う税務上の課題解決策として、二つの柱を提示しました。その柱の中には、二国間租税条約に影響を及ぼす制度も含まれております。今回は、経済のデジタル化による二国間租税条約の内容及びその影響について説明します。
令和4年税制改正により、外国税額控除の適用を受ける法人に係る法人事業税の所得等の計算において、「外国法人税を課されたことを証する書類」の保存がない等の理由により法人税額から控除できない金額は損金に算入できないことが明確化されます。
海外子会社設立等による生産拠点・事業拠点の海外進出が進み、親会社が研究開発した特許やノウハウ等の無形資産(以下「IP」という)を現地法人が活用し、親会社との棚卸資産取引や経営支援なしに収益を上げるビジネスモデルが一般化しており、親会社が負担した研究開発費をどの程度回収するべきなのかが、移転価格税制上の重要論点となって久しいです。昨今、生産拠点・事業拠点のみならず、研究開発拠点の海外進出が進み、海外研究開発拠点の貢献も無視できない程度に大きくなっているケースも見られるようになっています。この場合、単に親会社の IP 使用料徴収のみ検討すればよいわけではなく、海外研究開発拠点の貢献も考慮する必要あり、今まで以上に多面的な検討を要します。
現行のCFC税制において、外国子会社が4つの経済活動基準(旧適用除外基準)を満たさない場合には会社単位の合算課税が行われます。経済活動基準は事業基準、実体基準、管理支配基準、非関連者基準・所在地国基準により構成されています。 事業基準は、外国関係会社の主たる事業が株式等若しくは債券の保有、工業所有権等若しくは著作権の提供、船舶若しくは航空機の貸付けではないことを求めています。内国法人Xが、香港子会社の主たる事業の著作権の提供該当性につき争った事例について、東京地方裁判所は2021年2月26日、原告であるXの請求を棄却しました。
内国法人である原告に対して 164 億円の貸付を行った非居住者が「国外支配株主等」に該当し、過小資本税制が適用されるか否かを巡り争われた事件について、東京地方裁判所は 2020 年 9 月 3 日、原告の請求を棄却し、過小資本税制の適用により支払利子のうち約 14.6 億円が損金不算入になるという判決1を下しました(平成 30 年(行ウ)第 171 号)。これを受けて原告側が控訴していましたが、東京高等裁判所は 2021 年 7 月 7 日、概ね一審の内容を是認し控訴を棄却しました。
国内に住所等を持たない非居住者および外国法人は、納税管理人を選定しなければなりません(通法117①)。そして選定された納税管理人は、この非居住者および外国法人に代わって申告書の提出や納税等をしなければなりません(通法117①、通基通第117条関係2)。令和3年度税制改正では、この納税管理人制度の拡充が行われました。
CFC税制の対象となる外国関係会社は、内国法人が株式を直接保有する外国子会社だけでなく、その外国子会社を通じて過半数の出資関係が連鎖する外国孫会社も含まれます。この場合、外国子会社が孫会社から受ける配当、孫会社株式をM&A等により売却した場合に生ずるキャピタルゲインの取扱いについては、合算対象金額の算定上、留意すべき差異が認められます。
非居住者等が、配当、利子、使用料等の国内源泉所得の支払を受けるときには所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されます。これらの税額について、租税条約に基づき軽減又は免除を受けようとする場合には、租税条約に関する届出書等(以下「条約届出書等」)をその支払いを受ける日の前日までに支払者を経由して支払者の納税地の税務署長に書面により提出する必要がありました。 令和3年度税制改正により令和3年4月1日以後、特典条項に関する付表、居住者証明書などの添付書類を含めた条約届出書等については、書面による提出に代えて、その書面に記載すべき事項等を電子メール等の電磁的方法により源泉徴収義務者へ提供することができることとされました(実特省令14の2)。 また、源泉徴収義務者は、これまでの書面による提出に代えて、イメージデータ(PDF形式)に変換された条約届出書等をe-taxにより税務署長へ提出することができることとされました(国税オンライン化省令5②)。
長引くコロナ禍によって、企業が、手元資金確保やオフィスの大幅な縮小のため、本社ビルなど所有不動産を売却するケースが増えてきています。その買い手の一角を占めているのは、海外ファンド、外国法人や外国の富裕者層です。そのため、今後はオフィスの所有者が、外国法人や非居住者であるケースも増えていくものと思われます。そこで本稿では、内国法人が外国法人や非居住者から、日本に所在するオフィスを賃借した場合の税務上の取扱いを確認していきます。
OECDは2020年10月、BEPS包摂的枠組みにおいて「経済のデジタル化に伴う国際課税についての青写真」を公表し、2021年7月に開催されるG20前までに包括的枠組みでの合意を目指しています。 本稿では、青写真の概要と2021年4月8日にバイデン政権よりOECDに提示された米国提案について議論の大枠を確認したいと思います。
現在の日米租税条約は、2003年11年6日に署名され 2004年3月30日に効力が発生しています。その後、2013年1月24日に同条約を改正する議定書が署名され、2019年8月30日に発行しました。 同議定書により条約25条(相互協議条項)が改訂され、仲裁手続きに関する5項ないし7項が追加されました。7項(i)は最初の仲裁手続きが開始される日の前に、条約25条5項ないし7号の規定と整合的な期間及び手続きについて、書面によって合意することとされていました。両国の権限のある当局は、令和3年2月3日に仲裁手続の実施のための取決め(「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約第二十五条5、6及び7に係る実施取決め」)を定めました。
利子は、国際的なタックスプランニングで利用できる利益移転技術のうち、最も簡単なものの一つです。関連者間借入を用いて過大な利子の損金算入を生じさせるケースや、企業グループ内の高課税法人に第三者借入を集めるケースなどが挙げられます。このような問題に対抗するため、2015 年に公表されたBEPS 行動計画4 の最終報告書(利子控除制限ルール)において、第三者への支払利子を含めた利子控除制限制度の導入が勧告され、令和元年度改正で、対象利子、調整所得の定義、基準値の見直しが行われました。令和2・3 年度改正では、追加の改正が行われました。
全世界に感染が拡大したCovid19による市場環境の激変を受けて多くの企業の2020年度決算には、想定外の所得水準の変動が生じています。 OECDは、独立企業原則及び2017年版移転価格ガイドラインの適用に焦点をあてたGuidance on the transfer pricing implications of the COVID19 pandemicを先頃公表しました。
2018年5月のEU指令2018/822 に基づく義務的開示制度(MDR, Mandatory Disclosure Requirements)について、最初に到来する報告期限がCOVID-19の影響により延長されていましたが、2021年1月31日、延長後の期限が到来しました。 今回は、改めてEUの義務的開示制度の概要と、併せてUKの法令・規則を参考として具体的な国内法の内容をご紹介します。
