CBAM(Carbon Border Adjustment Mechanism)とは、EU市場への炭素集約的な輸入品に課金するための新しい方法です。対象となる商品の輸入者は、その商品に内在する炭素排出量を計算し、最終的にその排出量に対する“上乗せ分”を支払わなければならないこととされており、CBAMの目的は、環境を犠牲にしてEU域外から低コストの商品が輸入されるのを阻止することにあります。 当該CBAMルール移行期間が本年10月1日より開始されるのに先立ち、本稿では改めてその制度概要と意義等について、概説いたします。
ドイツ連邦議会は2023年5月11日、「使い捨てプラスチック基金法(EWKFondsG)」の導入を可決しました 。これにより、使い捨てプラスチック製品の使用が減少することが期待されています。メーカーだけでなく、販売業者や輸入業者等も対応を検討する必要があります。
「経済財政運営と改革の基本方針2023」(以下、「基本方針」とする。)が令和5年6月16日に閣議決定されました。基本方針では、科学技術・イノベーションの推進による経済成長を基本戦略の一つと位置付けています。その中でもGX(グリーン・トランスフォーメーション)は中心的な取り組みの一つとされています。GXの理解を深めることは、今後の技術トレンドや最先端の研究開発動向を理解することにつながり、注目すべきテーマといえます。
日本銀行では10年に亘る異次元金融緩和を続けた黒田総裁から、今年(2023年)4月に植田新総裁が就任しました。植田日銀は基本的に前総裁の「量的・質的緩和を継続する」と表明しています。しかし、消費者物価が1年以上も目標2%を超える中で、これまでの異次元緩和は維持されるのでしょうか。植田総裁の真意について、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの鈴木明彦研究主幹にご解説いただきます。
令和5年度税制改正により、令和6年4月1日以後開始対象会計年度から、国際最低税額に対する法人税(OECDのBEPS 2.0グローバル・ミニマム課税の一つである所得合算ルール(Income Inclusion Rule:以下「IIR」))が適用されます。この制度は、連結売上高が7億5千万ユーロ(約1100億円)超の多国籍企業グループ等を対象とし 、外国子会社所在地国の実効税率が15%未満の場合に、15%に至るまで最終親会社所在国等で上乗せ課税する仕組みです。 タイでは、タイ投資委員会(Board of Investment:以下「BOI」)による投資優遇制度がありますが、この制度の恩典を受けると、実効税率が15%未満となるため、最終親会社所在地国等において15%まで上乗せ課税されてしまうとの問題が指摘されておりました。BOIは2023年5月16日に、グローバル・ミニマム課税の影響を緩和することを目的とした、タイにおける実効税率を引き上げるための新たな救済措置を公表したため、ご紹介します。
2022年初に発表された政府業務報告において、不良資産の処理加速が初めて財政金融システム改革を推進するための政府部門の重要業務の一つとして明示されました。このような背景のもと、財政部および国家税務総局は、2022年9月30日に「銀行金融機関および金融資産管理会社による不良債権の債務相殺に関する税務政策に関する公告」(財政部および税務総局公告2022年第31号)を公布しました。銀行業金融機関、金融資産管理会社(以下、「不良債権処分機関」といいます)は、債務担保付の不動産を処分する際、増値税の計算において差額課税方式を選択することができ、また、債務担保付の不動産または債務担保付の資産の取得また譲渡に係る印紙税および契税が免除されます。
経済産業省が23年4月に発表した中小企業白書では、日本の企業は現在、収益は回復傾向にあるものの、物価高騰、深刻な人手不足など引き続き厳しい状況にあります。
【財政部 税務総局公告 2023 年第 16 号】金融機関の小規模薄利企業向け貸付利息の収益に対する増値税免除政策に関する公告 【財政部 税務総局公告2023年第18号】農家世帯、小規模薄利企業および個人事業者に対する融資保証に関する増値税政策の実施継続に関する公告
大規模な多国籍企業に対する課税の透明性を確保することを目的とした、国別報告書(CbCR)の開示に関するEU指令に対応したドイツ国内法が、2023年6月19日に連邦議会により可決されました。これにより、日系企業を含む、ドイツに拠点を有する一定の多国籍企業グループに対して、新たな開示要件が課されることになります。本稿では新法の背景、概要についてお知らせします。
2023 年 7 月 5 日、SAT のウェブサイト上で「SAT による IVA(付加価値税)・IEPS1 (生産・サービス特別税)認定企業に対する監視の強化」が発表されました。 最近、SAT では、IMMEX プログラム2等を用いて一時輸入を行う企業に対して与えている企業認定スキーム登録制度(RECE3)の IVA・IEPS 保税認定に該当する企業の義務不履行を検出しています。該当認定の一時停止や取り消しが行われていることから、義務不履行に関する調査を積極的に行っていくことが発表されました。
労働契約を締結する際には、労働者に対して一定の労働条件を明示することが義務付けられていますが、2024年4月からその労働条件明示のルールが変わります。厚生労働省より通達が発出されたことを受け、その詳細について情報提供が開始されました。厚生労働省のホームページでは、改正を踏まえたモデル労働条件通知書も公開されています。改正の主なポイントについて説明します。
国税庁は、令和5年5月30日、「ストックオプションに対する課税(Q&A)」を公表しました。その中で、近年導入が進んでいた信託型ストックオプションに関する税制上の取扱いについて、権利行使時に給与所得として課税する旨の見解を明らかにしています。信託型ストックオプションについては、これまで新株予約権の権利行使時ではなく、新株予約権の権利行使により取得した株式の譲渡時に、譲渡所得として課税される考え方が一般的に取られてきました。今回、国税庁の見解が明らかにされたことで、導入企業における対応や、今後の導入における留意が必要になると考えられます。
今年(2023年)5月11日に「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」の中間報告があり、6月9日には政府が技能実習制度を大幅に見直し、特定技能制度の特定技能2号の対象分野を拡大させて長期就労が可能な業種を従来の2分野から12分野に広げる方針を定めました。 今月号では、技能実習制度を中心に広く研究されてきた上林千恵子・法政大学名誉教授に解説して頂きます。
欧州で企業サステナビリティ報告指令(CSRD)が発効しました。CSRDは欧州の規制ですが、制度的にも、また開示内容からも、日本の本社の関与が欠かせません。
