BEPS(Base Erosion and Profit:税源浸食・利益移転に係る行動計画)1.0においては、従来の課税原則の枠内で(主として欧米)多国籍企業のアグレッシブな租税回避に対する対応策が検討されました。2014年にOECDが第一弾の報告書を発表し、最終的には合計15の行動計画が提案され、国際的に実行に移されてきています。わが国では2018年にBEPS防止措置実施条約が発効し、BEPS 1.0についてはほぼ終了する段階にきています。
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海外子会社設立等による生産拠点・事業拠点の海外進出が進み、親会社が研究開発した特許やノウハウ等の無形資産(以下「IP」という)を現地法人が活用し、親会社との棚卸資産取引や経営支援なしに収益を上げるビジネスモデルが一般化しており、親会社が負担した研究開発費をどの程度回収するべきなのかが、移転価格税制上の重要論点となって久しいです。昨今、生産拠点・事業拠点のみならず、研究開発拠点の海外進出が進み、海外研究開発拠点の貢献も無視できない程度に大きくなっているケースも見られるようになっています。この場合、単に親会社の IP 使用料徴収のみ検討すればよいわけではなく、海外研究開発拠点の貢献も考慮する必要あり、今まで以上に多面的な検討を要します。
全世界に感染が拡大したCovid19による市場環境の激変を受けて多くの企業の2020年度決算には、想定外の所得水準の変動が生じています。 OECDは、独立企業原則及び2017年版移転価格ガイドラインの適用に焦点をあてたGuidance on the transfer pricing implications of the COVID19 pandemicを先頃公表しました。
2020年4月1日以後に開始する事業年度から、新たな移転価格算定方法としてDCF法の使用が認められます。 我が国のルールではDCF法の使用を必ずしも無形資産取引に限っていません(措置法施行令 39条の12第8項6号)が、DCF法以外の移転価格算定方法により適切にALPを算定できる場合にはDCFは 用いられないとしています。 DCF法導入以前から有形・無形の別なく幅広く移転価格課税はなされています。課税に困難が伴うと言われている無形資産取引に対しても、比較対象取引を必要としない算定方法である利益分割法 や、超過収益力の配分を検証するRPSMやTNMMを活用することで独立企業間価格は算定されていました。では、DCF法は、どの様な場面での活用を期待されているのでしょうか。
