「財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」が公布されました。これは、2013年6月19日に企業会計審議会が公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」を踏まえ、単体開示の簡素化を図るために所要の改正を行うものです。
改正された主な規則等は、以下のとおりです。
- 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
- 企業内容等の開示に関する内閣府令
- 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン)
なお、本内閣府令は2014年3月31日以後終了事業年度に係る財務諸表から適用されます。
(主な改正内容)
注記等の削除
以下の注記等は削除する。
- 固定資産の再評価に関する注記
- 配当制限に関する注記
- 有価証券明細表(ただし、非上場会社及び別記事業を営む会社等を除く)
なお、配当制限を受けている場合、有価証券報告書 第4【提出会社の状況】 3【配当政策】において、その旨及び内容を記載する。
開示の免除
連結財務諸表を作成している場合、以下の記載を要しない。
- リース取引に関する注記
- 事業分離における分離元企業の注記
- 資産除去債務に関する注記
- 資産から直接控除した引当金の注記
- 有形固定資産から直接控除した減価償却累計額の注記
- 減価償却累計額に合算して掲記した減損損失累計額の注記
- 事業用土地の再評価に関する注記
- たな卸資産及び工事損失引当金を相殺表示した場合の注記
- 1株当たり純資産額の注記
- 工事損失引当金繰入額の注記
- たな卸資産の帳簿価額の切下げに関する記載
- 研究開発費の注記
- 減損損失に関する注記
- 1株当たり当期純損益金額に関する注記
- 潜在株式調整後1株当たり当期純損益金額に関する注記
- 自己株式に関する注記
連結財務諸表において同一の内容が記載されている場合、以下の記載を要しないが、その旨を記載する。
- 企業結合に係る特定勘定の注記
- 企業結合に係る特定勘定の取崩益の注記
連結財務諸表においてセグメント情報を注記している場合、以下の作成を要しない。
連結財務諸表を作成している場合、以下の記載を省略することができる。
重要性基準の緩和
単体財務諸表に別掲しなければならない項目、又は注記しなければならない金額の重要性の基準を、以下のとおり緩和する。
- 別掲すべき資産:総資産の額の100分の5を超えるもの
- 別掲すべき負債:負債及び純資産の合計額の100分の5を超えるもの
- 関係会社に対する資産の注記:総資産の額の100分の5を超えるもの
- 関係会社に対する負債の注記:負債及び純資産の合計額の100分の5を超えるもの
- 別掲すべき販売費及び一般管理費:販売費及び一般管理費の合計額の100分の10を超えるもの
特例財務諸表提出会社の特例
特例財務諸表提出会社(会計監査人を設置している連結財務諸表作成会社(ただし、別記事業を営む会社等を除く))が提出する以下の財務諸表の様式は、会社計算規則の規定に基づいた様式によることができる。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 有形固定資産等明細表
- 引当金明細表
また、特例財務諸表提出会社の以下の注記は、会社計算規則の規定に基づいた注記に代えることができる。
- 重要な会計方針の注記
- 表示方法の変更に関する注記
- 会計上の見積りの変更に関する注記
- 親会社株式の金額に関する注記
- 関係会社に対する資産及び負債の注記
- 担保資産の注記
- 偶発債務の注記
- 関係会社に対する売上高、営業費用、営業外収益及び営業外収益の注記
特例財務諸表提出会社が、上記の規定により財務諸表を作成した場合、以下の事項を記載する。
- 特例財務諸表提出会社に該当する旨
- 上記の規定により財務諸表を作成している旨
その他
合併消滅会社の最終事業年度の財務諸表の開示は要しない。
経過措置
本改正に伴って表示方法の変更を行った場合であっても、財務諸表の主な項目に係る前事業年度における金額の注記は要しない。
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