企業会計基準委員会より、改正企業会計基準第2号「1株当たり当期純利益に関する会計基準」、会計企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」及び改正実務対応報告第9号「1株当たり当期純利益に関する実務上の取扱い」が公表されました。
企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の公表に伴う所要の改正のほか、国際財務報告基準(IFRS)との既存の差異の解消のための改正等を行ったものです。
(主な改正内容)
遡及適用又は修正再表示が行われた場合
会計方針の変更又は過去の誤謬の訂正により財務諸表に遡及適用又は修正再表示が行われた場合、1株当たり情報は、遡及適用後又は修正再表示後の金額により算定する。
株式併合又は株式分割が行われた場合
当期に株式併合又は株式分割(以下、株式併合等という)が行われた場合、従来は当期首に当該株式併合等があったと仮定して1株当たり情報を算定していたが、本改正により、表示する財務諸表のうち、最も古い期間の期首に当該株式併合等が行われたと仮定して1株当たり情報を算定する。
また、当期の貸借対照表日後に株式併合等が行われた場合、従来は重要な後発事象として取り扱っていたが、本改正により、当期に株式併合等が行われた場合と同様の取扱いとする。
ワラントの行使価格等が期中で修正された場合
ワラントの行使価格が行使請求可能期間中の株価変動により修正された場合、行使価格修正日前まで期間は期首の行使価格により、修正日以後の期間は修正後の行使価格により、潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定する。
また、転換証券の転換価格が期中に修正された場合、従来は期首における転換価格を利用していたが、本改正により、ワラントの行使価格の修正の場合と同様、転換価格修正日前まで期間は期首の行使価格により、修正日以後の期間は修正後の転換価格により、潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定する。
潜在株式に係る仮定に変化があった場合の、過去の1株当たり情報の取扱い
過去の期間の財務諸表に注記された潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、その後の期間の転換証券の普通株式への転換又は普通株式の株価の変動などにより、潜在株式に係る権利の行使の際に仮定した事項が変化した場合であっても、遡及的に修正しない。
子会社又は関連会社の発行する潜在株式の取扱い
子会社又は関連会社(以下、子会社等という)が親会社の普通株式に転換等可能な潜在株式を発行し、その権利の行使を仮定することにより希薄化する場合、当該潜在株式は、連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定にあたり、親会社の潜在株式に含める。
親会社が発行する子会社等の潜在株式の取扱い
親会社が子会社等の普通株式に転換等の可能な潜在株式を発行し、その権利の行使を仮定することにより、親会社の持分比率が変動し、その結果、連結上の当期純利益が減少する場合、当該潜在株式は、連結上の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定にあたって考慮する。
ストック・オプションの取扱い
行使期間は開始していないが希薄化効果を有するストック・オプションについて、潜在株式調整後1株当たり当期純損益の算定上、付与された時点から既に行使期間が開始したものとして取り扱う場合、権利行使により払い込まれると仮定される入金額には、ストック・オプションの公正な評価額のうち、将来企業に提供されるサービスに係る分を含める。
四半期財務諸表における取扱い
四半期会計期間又は四半期累計期間をそれぞれ一会計期間とみて、1株当たり四半期純利益又は潜在株式調整後1株当たり四半期純利益を算定する。その結果、各四半期会計期間の1株当たり四半期純損益の合計は、年度の期首からの累計期間の1株当たり四半期純損益に必ずしも合致しないこととなる。
適用時期等
2011年4月1日以後開始事業年度から適用し、早期適用は認めない。
なお、本改正基準等の適用は、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う。
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