日本公認会計士協会より、「業種別委員会報告第38号『投資事業有限責任組合における会計処理及び監査上の取扱い』の改正について」が公表されました。この改正は、継続企業の前提に関する監査基準の改訂を受け、所要の見直しを行ったものです。
なお、本改正は2010年1月13日から適用されます。
(主な改正内容)
存続期間が1年未満となった場合の継続企業の前提に関する注記
1. 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況
その設立当初から事業の存続期限が定められているといった投資事業有限責任組合(以下、有責組合という)の特徴を踏まえると、存続期間内での資産の回収及び負債の返済が完了されないおそれがある状況が、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況(以下、一定の事象又は状況という)に該当する。
2. 継続企業の前提に関する重要な不確実性(例示)
①資産の処分
存続期間内での資産の回収が完了しないおそれがある状況において、処分方針を明確にしたうえで存続期間内での処分完了を計画している場合、当該方針は一定の事象又は状況を解消し又は改善するための対応策(以下、対応策という)に該当すると思われる。
このような場合においては、対応策を講じてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性(以下、重要な不確実性という)が認められるか否かという観点から、継続企業の前提に関する検討を行う。したがって、たとえば、処分に係る売買契約の締結が確定していない場合には、重要な不確実性が認められるものと考えられる。
②存続期限の延長
存続期間内での資産の回収及び負債の返済が完了しないおそれがある状況において、存続期限の延長を計画している場合、当該計画は対応策に該当すると思われる。
このような場合においては、対応策を講じてもなお重要な不確実性が認められるか否かという観点から継続企業の前提に関する検討を行うが、存続期限の延長が確定していない場合には、重要な不確実性が認められるものと考えられる。
存続期間が1年未満となった場合の投資の評価
評価額が早期換金化による流動性リスクを加味した価額と乖離しないような対応が必要である。
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