金融庁より、「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」が公布されました。いわゆるMSCBの開示の充実、信託等を利用した従業員持株制度の開示の充実、定時株主総会前の有価証券報告書の提出を可能とする等のため、所要の改正が行われたものです。
また、これに併せて「企業内容等の開示に関する留意事項について」及び「特定有価証券と内容等の開示に関する留意事項について」も改正されています。
なお、本改正内閣府令等は、2009年12月11日から施行ないし適用されます。
(主な改正内容)
行使価額修正条項付新株予約権付社債券等に関する開示の充実
取得請求権付株式、新株予約権又は新株予約権付社債のうち、権利行使による割当株式数又は資金調達額が、当該有価証券発行後の株価を基準として変動するもの(以下、MSCBという)を発行している場合には、有価証券報告書及び四半期報告書において、その内容及び行使状況を開示する。
1. MSCBに該当する取得請求権付株式の内容
「第4提出会社の状況 1株式等の状況 (1)株式の総数等②発行済株式」の種類の欄にMSCBを発行している旨、内容の欄にMSCBの特質を記載するとともに、MSCBの権利行使に関するMSCBの所有者との取決めの内容等を開示する。 なお、本改正は2010年2月1日以後提出する有価証券報告書及び四半期報告書について適用する。
2. MSCBに該当する新株予約権付社債又は新株予約権の内容
「第4提出会社の状況 1株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」にMSCBを発行している旨、MSCBの特質及びMSCBの権利行使に関するMSCBの所有者との取決めの内容等を開示する。
なお、本改正は2010年2月1日以後提出する有価証券報告書及び四半期報告書について適用する。
3. MSCBの行使状況
「第4提出会社の状況 1株式等の状況 (3)行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等」に権利行使されたMSCBの数、権利行使に係る交付株式数、権利行使に係る平均行使価額等、権利行使に係る資金調達額等その他の事項を開示する。
なお、本改正は2010年2月1日以後開始する事業年度及び四半期会計期間に係る有価証券報告書及び四半期報告書について適用する。
信託等を利用した従業員持株制度に関する開示の充実
提出会社の役員、使用人その他の従業員又はこれらの者を対象とする持株会(以下、従業員等持株会という)に提出会社の株式を一定の計画に従って継続的に取得させ、又は売り付けることを目的として、当該提出会社の株式の取得又は買い付けを行う信託その他の仕組みを利用した制度(以下、従業員株式所有制度という)を導入している場合、有価証券報告書の「第4提出会社の状況 1株式等の状況 (10)従業員株式所有制度の内容」において、以下の事項を開示する。
- 従業員株式所有制度の概要(従業員株式所有制度の仕組み、信託受益権の内容等)
- 従業員等持株会に取得させ、又は売り付ける予定の株式の総数又は総額
- 従業員株式所有制度による受益権その他の権利を受け取ることができる者の範囲
なお、本改正は2009年12月31日以後終了する事業年度に係る有価証券報告書について適用する。
定時株主総会前の有価証券報告書提出
定時株主総会前に有価証券報告書を提出する場合には、定時株主総会に報告し又は承認を受けようとする計算書類及び事業報告を、その添付書類とすることができる。この場合において、有価証券報告書に記載した当該定時株主総会における決議事項が修正又は否決された場合には、その旨及びその内容等を記載した臨時報告書を提出する。
なお、本改正は2009年12月31日以後終了する事業年度に係る有価証券報告書について適用する。
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