金融庁より、「連結財務諸表の用語、様式及び作成に関する規則等の一部を改正する内閣府令」が公布されました。2010年3月期から国際財務報告基準(IFRS)に従って連結財務諸表を作成することを許容するため、所要の改正が行われたものです。
改正された主な内閣府令は、以下のとおりです。
- 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則
- 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
- 四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則
- 四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則
- 企業内容等の開示に関する内閣府令
- 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について
- 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について
なお、本改正内閣府令は、2009年12月11日から施行されます。
(主な改正内容)
国際会計基準(国際財務報告基準/IFRS)の任意適用
特定会社は、指定国際会計基準により連結財務諸表を作成することができる。この場合、指定国際会計基準により連結財務諸表を作成している旨、並びに特定会社に該当する旨及びその理由を、連結財務諸表に注記しなければならない。
特定会社
国際的な財務活動又は事業活動を行う会社として、以下の要件をいずれも満たすものをいう。
1. 以下の全ての要件を満たすこと
- 発行する株式が金融商品取引所に上場されている
- 有価証券報告書において、連結財務諸表の適正性を確保するための特段の取組みに係る記載をしている
- 指定国際会計基準に関する十分な知識を有する役員又は使用人を置いており、指定国際会計基準に基づいて連結財務諸表を適正に作成することができる体制を整備している
2. 会社、親会社、その他の関係会社又はその他の関係会社の親会社が、以下のいずれかの要件を満たすこと
- 外国の法令に基づき、国際会計基準に従って作成した開示書類を開示している
- 外国金融商品市場の規則に基づき、国際会計基準に従って作成した開示書類を開示している
- 外国に資本金20億円以上の子会社を有している
指定国際会計基準
国際会計基準のうち、公正かつ適正な手続の下に作成及び公表が行われたものと認められ、公正妥当な企業会計の基準として認められることが見込まれるものとして、金融庁長官が定めるものをいう。
並行開示
指定国際会計基準による連結財務諸表を作成した特定会社は、その初年度において、日本基準によった場合の要約連結財務諸表、連結財務諸表を作成するための基本となる重要な事項の変更に関する事項、指定国際会計基準による連結財務諸表の主要な項目と日本基準によった場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目の差異に関する事項の概算額を、直近連結会計年度及びその直前の連結会計年度について、開示しなければならない。
翌年度以降においては、指定国際会計基準による連結財務諸表の主要な項目と日本基準によった場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目の差異に関する事項の概算額を、直近連結会計年度について開示しなければならない。
なお、上記開示は有価証券報告書「第1部 企業情報」「第2 事業の状況」の「2 業績等の概要」において行われるため、監査対象外となる。
ハイライト情報
指定国際会計基準による連結財務諸表を作成した特定会社は、指定国際会計基準による連結財務諸表を作成した年度のみ、有価証券報告書「第1部 企業情報」「第1 企業の概要」の「1 主要な経営指標等の推移」において、当該連結財務諸表に基づく主要な経営指標を開示する。
なお、日本基準によった場合の要約連結財務諸表を開示している場合には、当該要約連結財務諸表に基づく主要な経営指標も併せて開示する。
四半期連結財務諸表
特定会社は、指定国際会計基準により四半期連結財務諸表を作成することができる。この場合、指定国際会計基準により四半期連結財務諸表を作成している旨、並びに特定会社に該当する旨及びその理由を、四半期連結財務諸表に注記しなければならない。
なお、前連結会計年度においては日本基準による連結財務諸表を作成していた特定会社が、初めて指定国際会計基準による四半期連結財務諸表を作成する第1四半期においては、最近連結会計年度に係る指定国際会計基準による連結財務諸表を開示することができる。この場合、指定国際会計基準による連結財務諸表の主要な項目と日本基準によった場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目の差異に関する事項の概算額を、最近連結会計年度及びその直前の連結会計年度について開示しなければならない。
連結財務諸表を作成していない特定会社
日本基準による財務諸表に加えて、指定国際会計基準による財務諸表を作成することができる。この場合、指定国際会計基準により財務諸表を作成している旨、並びに特定会社に該当する旨及びその理由を、指定国際会計基準による財務諸表に注記しなければならない。
適用
特定会社は、2010年3月31日以後終了する連結会計年度より、指定国際会計基準による連結財務諸表を作成することができる。
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