企業会計基準委員会より、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」等が公表され、 2008年までの短期コンバージェンス・プロジェクトとして掲げられていた企業結合(連結を含む)に関する会計処理が改正されました。
公表された会計基準等は、以下のとおりです。
- 企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」(以下、企業結合会計基準という)
- 企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(以下、連結会計基準という)
- 企業会計基準第23号「『研究開発費等に係る会計基準』の一部改正」(以下、研究開発費会計基準の一部改正という)
- 改正企業会計基準第7号「事業分離等に関する会計基準」(以下、事業分離等会計基準という)
- 改正企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」(以下、持分法会計基準という)
- 改正企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(以下、適用指針という)
(主な改正内容)
持分プーリング法を廃止し、共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企業結合はパーチェス法により処理する。
持分プーリング法の廃止に伴い、結合当事企業のいずれが取得企業であるかの判断が困難となることも想定されるため、取得企業の決定方法を改正する。
株式を取得の対価とする場合、当該対価の時価は企業結合日(又は事業分離日)における株価を基礎として算定する。
負ののれんが生じた場合、当該事業年度の利益として処理する。
部分時価評価法を廃止し、全面時価評価法により評価する。
連結財務諸表においては、段階取得の場合の被取得企業の取得原価を、支配を獲得するに至った個々の取引すべての企業結合日における時価で算定し、当該取得原価と当該支配に至った個々の取引ごとの原価の合計額との差額は、当期の損益として処理する。
企業結合により受け入れた研究開発の途中段階の成果について、取得対価の一部を研究開発費等に配分して費用化することができるとする処理を廃止する。
被取得企業から受け入れた資産に識別可能な無形資産が含まれる場合、原則として資産計上する。
在外子会社株式の取得等により生じたのれんは、決算日の為替相場により換算する。
共同支配企業に対する投資に持分法を適用する。
企業結合に係る特別勘定の計上及び取崩の処理を見直す。
連結損益計算書に、少数株主損益調整前当期純利益を表示する。
(適用時期)
企業結合会計基準、研究開発費会計基準の一部改正、事業分離等会計基準及び適用指針
2010年4月1日以後実施される企業結合及び事業分離等から適用する。ただし、2009年4月1日以後開始事業年度において最初に実施される企業結合及び事業分離等から適用することができる。
連結会計基準
2010年4月1日以後実施される企業結合及び事業分離等に関する会計処理及び注記事項から適用し、その他の事項については2010年4月1日以後開始連結会計年度の期首から適用する。 ただし、2009年4月1日以後開始連結会計年度において最初に実施される企業結合及び事業分離等に関する会計処理及び注記事項から適用し、 その他の事項については2009年4月1日以後開始連結会計年度の期首から適用することができる。
持分法会計基準
2010年4月1日以後実施される非連結子会社及び関連会社に対する投資に係る会計処理から適用する。 ただし、2009年4月1日以後開始連結会計年度において最初に実施される非連結子会社及び関連会社に対する投資に係る会計処理から適用することができる。
留意事項
本会計基準等を早期適用する場合には、すべてを一斉に早期適用するものとする。
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企業会計基準委員会ホームページ