金融庁より、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」が公布されました。主な内容は、以下の会計基準の公表等に伴う所要の改正です。
- 「金融商品に関する会計基準」(改正)
- 「工事契約に関する会計基準」
- 「資産除去債務に関する会計基準」
なお、本内閣府令は2008年8月7日から施行されます。
(主な内容)
(連結)財務諸表等規則
1.「金融商品に関する会計基準」(改正)の公表に伴う改正
時価等の開示対象を金融商品全般に広げるため、金融商品に関する注記に係る規定を新設するなど、所要の改正を行う。
(1)金融商品に関する注記の主な事項
(ア)金融商品の状況に関する事項
- 金融商品に対する取組方針
- 金融商品の内容及び当該金融商品に係るリスク
- 金融商品に係るリスク管理体制
- 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
(イ)金融商品の時価等に関する事項
金融商品に関する(連結)貸借対照表の科目ごとの以下の事項
- (連結)貸借対照表日における(連結)貸借対照表計上額
- (連結)貸借対照表日における時価
- (連結)貸借対照表日における(連結)貸借対照表計上額と時価との差額
- 時価の算定方法
(ウ)市場リスクの定量的情報等に関する事項
総資産及び総負債の大部分を占める金融資産及び金融負債の双方が事業目的に照らして重要であり、 かつ、主要な市場リスクに係るリスク変数(金利や為替、株価等)の変動に対する当該金融資産及び金融 負債の感応度が重要である場合、以下の事項
- リスク管理上、市場リスクに関する定量的分析を利用している場合には、当該分析に基づく定量的情報
- リスク管理上、市場リスクに関する定量的分析を利用していない場合には、リスク変数を合理的に仮定して算定した時価の増減額
(2)適用日
2010年3月31日以後終了連結会計年度及び事業年度から適用する。ただし、2010年3月31日前終了連結会計年度及び事業年度から適用することができる。
なお、市場リスクの定量的情報等に関する事項は、2011年3月31日前終了連結会計年度及び事業年度については記載しないことができる。
2.「工事契約に関する会計基準」の公表に伴う改正
同一の工事契約について、たな卸資産と工事損失引当金がある場合の(連結)貸借対照表における表示に係る規定の新設など、所要の改正を行う。
(1)たな卸資産及び工事損失引当金の表示方法
同一の工事契約に係るたな卸資産及び工事損失引当金がある場合、両者を相殺した差額をたな卸資産又は工事損失引当金として表示することができる。
(2)たな卸資産及び工事損失引当金に関する注記の主な事項
同一の工事契約に係るたな卸資産及び工事損失引当金がある場合、以下の事項を注記する。
(ア)両者を相殺していない場合
工事損失引当金に対応するたな卸資産の金額
(イ)両者を相殺している場合
相殺表示したたな卸資産の金額
(3)適用日
2009年4月1日以後開始連結会計年度及び事業年度から適用する。ただし、2009年4月1日前開始連結会計年度及び事業年度から適用することができる。
3.「資産除去債務に関する会計基準」の公表に伴う改正
資産除去債務に関する注記に係る規定の新設、(連結)貸借対照表の流動負債及び固定負債の区分表示への資産除去債務の追加など、所要の改正を行う。
(1)資産除去債務に関する注記の主な事項
- 資産除去債務の概要
- 資産除去債務の金額の算定方法
- 資産除去債務総額の増減
- 資産除去債務の見積りを変更したときは、その旨、変更の内容及び影響額
(2)適用日
2010年4月1日以後開始(連結)事業年度から適用する。ただし、2010年4月1日前開始(連結)事業年度から適用することができる。
4.その他の改正
(1)たな卸資産の表示方法
たな卸資産に係る区分表示を以下に改正する。
- 商品及び製品(半製品を含む)
- 仕掛品
- 原材料及び貯蔵品
ただし、たな卸資産の科目で一括表示し、かつ、当該科目に属する科目及びその金額を注記することができる。
(2)適用日
2009年3月31日以後終了連結会計年度及び事業年度から適用する。ただし、2009年3月31日前終了連結会計年度及び事業年度から適用することができる。
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