世界32カ国の中堅企業経営者に、「自社の経営幹部の女性比率」について尋ねたところ、全調査対象国32カ国の平均は29%と、2019年3月発表の前回調査結果から横ばいであった。2004年の調査開始以降、ゆるやかな増減を繰り返しながらも、概ね上昇傾向にあったが、今回調査では30%の大台に達することなく停滞する結果となった。
日本は対象国中最下位、調査対象各国との差も顕著
日本の中堅企業における「経営幹部の女性比率」は12%で、前回に引き続き調査対象国中、最下位であった。低水準ではあったものの、10ポイント増の飛躍的な改善をみせた前回調査の結果とは対照的に、今回は3ポイント減とマイナスに転じた。さらに、ほか対象国と比較してみると、ワースト2位の韓国とは5ポイント、トップ1位のフィリピンとは31ポイントの差が開き、日本の中堅企業における女性の躍進に向けた施策改善の余地を改めて認識させられる結果となった。
太陽グラントソントン パートナー 渡邉りつ子(公認会計士)は、次のように述べている。「多くの日本企業で女性活躍の取り組みが行われているものの、他国でのより積極的な取り組みの結果、相対的に日本の順位が上がらない結果となった。また、経営幹部の女性比率改善のために「特に対策をとっていない」と回答した日本の経営幹部が36%おり、企業の認識や対応には温度差がみられる。取り組みの成果の発現には一定の時間がかかるため、いま行動を起こすことが将来の変化をもらたすために重要であることを国際女性デーを機に再確認していきたい。」