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2024年2月19日、OECDは経済のデジタル化に伴う課税上の課題へ対応するためのBEPS2.0プロジェクトにおける2本の柱の1つである、第1の柱・利益Bに係る新たな報告書をリリースしました[1]。本文書では、BEPSに関する包摂的フレームワーク(Inclusive framework:以下「IF」)第1の柱・利益Bに関するコンセンサスを反映したものとして、税務当局と納税者双方のコンプライアンスリソースを有効活用するためのソリューションとして基礎的販売活動に係る簡素化・合理化された移転価格設定方法を提唱しています。
[1] OECD, “Pillar One – Amount B” (Feb 19, 2024), https://www.oecd-ilibrary.org/taxation/pillar-one-amount-b_21ea168b-en
第1の柱・利益Bの目的
IFの第1の柱では、利益Aと利益Bの2種類の利益に関するガイダンスを提供しています。利益Aは、一定の規模以上の多国籍企業グループが稼得した超過利益の⼀定割合を市場国に再配分することを目的としています。一方、利益Bは全ての多国籍企業グループを対象に基礎的なマーケティング・販売活動(Baseline marketing and distribution activities)に係る移転価格に対して、独立企業原則(ALP)と矛盾しないような形で簡素かつ合理化された価格設定の枠組みを提供することを目的としています。
簡素化・合理化されたアプローチの適用範囲
利益Bの対象となる販売活動の範囲(適格取引)は、所謂、バイセルマーケティング・販売取引もしくは販売代理店及びコミッショネア取引としています。ただし、以下の場合は当該アプローチの適用外とされます。
- デジタル商品を含む無形資産の販売やサービスの提供を行っている
- コモディティ商品のトレーディング・マーケティング・ディストリビューション等を行っている
- 製造活動や研究開発活動等の非販売活動を併せて実施している
(ただしセグメンテーションにより適切に販売活動を個別評価可能な場合を除く) - 適格取引の検証対象者は年間の純売上高に対する販管費比率が下限3%、上限20%~30%(上限は各国が導入時に決定する)の範囲外である
- 卸売りに加えて小売業も営む販売会社について、小売業に係る売上高(3年間加重平均)が合計純売上高(3年間加重平均)の20%超である
なお、各国が追加で選択できる定性的な基準については、引き続き検討が行われています。
利益水準の算定方法
当該アプローチは3ステップで構成されています。
【Step1】プライシングマトリックスによる営業利益率算定(下記参照)
【Step2】販管費利益率(営業利益/営業費用)の検討
機能的貢献に対する適切な利益水準を算定するため、販管費利益率による補完検証を行います。検証対象企業の販管費利益率が、予め提供されるマトリックスにより算定される一定のレンジから外れた場合、レンジのエッジまで営業利益を調整します。
【Step3】データの利用可能性が不十分である地域(Qualifying jurisdictions)に対する調整
データの利用可能性が不十分であると認められる国・地域においては、予め提供されるマトリックスに基づいて、ソブリン信用格付けによる調整が行われます。
なお、【Step1】と【Step2】に係るプライシングマトリックスは5年に1度更新がなされることとなっています。
上記【Step1】において、OECDが予め実施したグローバルデータセット(独立した企業の母集団)を用いた分析結果による3区分の産業グループ及び5段階評価された財務指標(OAS[1]、OES[2])からなるプライシングマトリックスを利用することが、核心的なソリューションとなっています。
グローバルデータセットによるプライシングマトリックス(Return on Revenue:売上高EBIT比率)[3]
ファクター比率 | 産業分類1 | 産業分類2 | 産業分類3 |
[A] High OAS / Any OES 純営業資産比率 45.0%以上 営業費用比率 全て |
3.50% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
[B] Med or High OAS / Any OES 純営業資産比率 30.0%~44.9% 営業費用比率 全て |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
[C] Med Low OAS / Any OES 純営業資産比率 15.0%~29.9% 営業費用比率 全て |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
[D] Low OAS / not Low OES 純営業資産比率 15.0%未満 営業費用比率 10.0%以上 |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
[E] Low OAS / Low OES 純営業資産比率 15.0%未満 営業費用比率 10.0%未満 |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
5.00% (±0.5%) |
- 産業分類1:生鮮食品、食料品、家庭用消耗品、建築資材・消耗品、配管資材、金属、配管用品、金属等
- 産業分類2:ITハードウェアおよびコンポーネント、電気部品および消耗品、動物飼料、農業用品、アルコールおよびタバコ、ペットフード、衣料品、履物およびその他の衣料品、 農産品、アルコール・タバコ、ペットフード、衣料品、靴、その他衣料品、プラスチック・化学品、潤滑油、染料、医薬品、化粧品、健康・福祉用品、家電製品、家電製品、家具、家庭用品、オフィス用品、印刷物、その他衣料品、製品、家電製品、家電製品、家具、家庭用品、事務用品、印刷物、紙、包装印刷物、紙、包装資材、宝飾品、繊維皮革・毛皮、新車・中古車、自動車部品・用品、混合製品、産業分類1または3に属さない製品・部品
- 産業分類3: 医療用機械、産業用・農業用車両を含む産業用機械、産業用工具、その他産業用部品
プライシングマトリックスを用いて検証対象企業の売上高EBIT比率のレンジを特定する手順は以下の通りです。
- 検証対象企業の属する産業分類を決定します。
- 検証対象企業のファクター比率(A、B、C、DまたはE)を決定し、産業分類に対応する売上高EBIT比率を特定します。検証対象企業のファクター比率は直近3年間の加重平均から算定されます。
- 検証対象企業の売上高EBIT比率のレンジはプライシングマトリックスから特定された値の±0.5%となります。
[2] OAS(Net Operating Asset Intensity):純営業資産比率は純営業資産を売上高で除したもの
{純営業資産=固定資産+運転資本}
[3] OES(Operating Expense Intensity):営業費用比率は営業費用(≒販管費)を売上高で除したもの
[4] OECD, “Pillar One – Amount B” (Feb 19, 2024), p27
“Table 5.1. Pricing Matrix (return on sales %) derived from the global dataset”から訳出
文書化
納税義務者が上記マトリックスメソッドによる簡素化・合理化アプローチを活用するには、移転価格文書(ローカルファイル)に以下の内容が含まれていることを前提としています。ただし、事業に重大な変更が有った場合、もしくは対象となる取引が無くなった場合には、この限りではありません。
- 対象適格取引に係る説明及び取引の背景
- 対象適格取引に係る契約書
- 対象適格取引に係る収益・費用・資産の配分・帰属の決定に関する計算資料
- 簡素化・合理化アプローチ及び移転価格算定方法の適用において使用された財務データに係る情報
- 本アプローチを最低3年間適用することに同意する旨
課題
移転価格調整が行われて二重課税が発生した場合は、原則として相互協議で解決を図ります。しかし最大の論点であった適用範囲選定に係る定性基準の採用が適用国による選択制となったために、当局間の見解の相違から相互協議時に実効性のある紛争解決が図られるかどうか懸念されています。
なお、簡素化・合理化アプローチ導入前から既に締結されているAPA等の二国間における合意は引き続き有効となります。
お見逃しなく!利益Bを採用する国・地域は2024年3月末までに決定される予定であり、OECDのウェブサイトで公表されます。 今後、2025年1月1日以降に開始する検証対象企業の事業年度について、当該アプローチを選択適用可能となるように各国で法整備が進められる予定です。 |
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